北陸新幹線の開業まで残り2カ月を切った新幹線・敦賀駅には、開業前にも関わらず、なぜか1,000人もの人が駅構内を行き来し混雑した。新幹線から降りてきた人たちは、一斉に特急ホームへ向かった。その後ろを着いていき、混雑している理由を探った。

JR西日本の社員らで模擬実験

新幹線・敦賀駅は高さ37メートルの3階建てで、整備新幹線の駅舎の中では国内最大規模となる。新幹線ホームは3階にあり、2階に改札、1階には特急の乗り場がある。

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1月18日正午前、開業前の新幹線敦賀駅には12両編成の車両の姿があった。乗客は約900人で、乗車率100%だ。そして一斉に敦賀駅で下車した。

この日、敦賀駅に集まったのは、JR西日本とグループ会社の社員たちだった。北陸新幹線の終着駅となる敦賀は、関西や中京に向けてはこの駅で特急に乗り換える必要がある。そこで開業2カ月前に乗り換えシミュレーションが行われた。

乗客役は約900人に加え、駅員などスタッフ役は約100人という本番さながらの状況をつくり、新幹線から「サンダーバード」と「しらさぎ」の特急2本に乗り換えるとの想定で実施した。

乗客の流れや案内板の表示内容、駅員の誘導などを確認し、開業前に課題をあぶり出す目的があった。

「工夫を加えて開業当日を迎えたい」

新幹線・敦賀駅での乗り換えの場合、1階から3階までの上下移動が必要になる。大勢の乗客が一斉に乗り降りするため、エレベーターが4基、エスカレーターが22基ある。シミュレーションでは、2階から1階に下りるエスカレーター前で滞留が発生した。

JR西日本は、新幹線と特急の乗り換え時間を8分と想定している。降りた人の中には、発車時間に間に合うよう走って特急に乗り込む姿もあった。

JR西日本 金沢支社・岡久資副支社長:
現時点で所要時間は把握できていないが、少し時間がかかったこともあったかと思う。エスカレーターと階段が数カ所あるが、1カ所に集中したので、そこは案内で工夫できると思う。きょうの結果を振り返り、さらなる工夫を加えて開業当日を迎えたい。

敦賀市は、新幹線開業後の乗り換え客数を1日2万7,000人、年間980万人と試算している。東日本と西日本を結ぶ日本海側の結節点と位置づけられ、スムーズな乗り換えが重要となる。

(福井テレビ)

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