今、北朝鮮の高級スキーリゾートをめぐる、あるツアーが話題を集めている。ツアーの宣伝役となったのが、“謎”のロシア人ブロガーだった。

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この北朝鮮ツアーを企画したのはロシアの旅行会社。今、北朝鮮とロシアが急接近している。

日本円で11万円の「北朝鮮ツアー」

ツアーの詳細は、次の通りだ。

2月9日にロシア極東のウラジオストクから飛行機で平壌へと入り、軍事パレードなどを行う金日成広場や、凱旋門などの名所を3泊4日で回るというもの。

馬息嶺スキー場のHPより
馬息嶺スキー場のHPより

日本円で、約11万円の北朝鮮ツアー。目玉となるのが、北朝鮮南部の馬息嶺(マシンニョン)スキー場。

夜まで楽しめるようにナイター照明も完備している。金正恩総書記が肝入りで作らせた、自慢のスキー場だという。

さらに、宿泊するのは五つ星ホテル。ロッジ風の客室やプール、レストランを完備するなど、あまりの豪華絢爛ぶり。

YouTubeより
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そんな贅(ぜい)を極める北朝鮮ツアーの宣伝役として現れたのが、謎のロシア人ブロガーだった。

謎のロシア人ブロガーの正体は…?

SNSで約8万人のフォロワーを持ち、“ビカ”と名乗るロシア人女性。平壌在住だという。

YouTubeより
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SNS上にプールで泳ぐ様子やホテルの客室をルームツアーするなど、北朝鮮旅行を満喫する動画を次々とアップし、宣伝をしている。

さらに、チゲとキンパとみられるものを食べる様子も映っていた。

YouTubeより
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ロシア人ブロガーの“ビカ”:
スキーリゾートを取り囲む空間のすべてがハイレベルに仕上げられ、どこか別の世界にいるようで、とても気に入りました。

SNSより
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ロシアの独立系メディアは、この女性を在北朝鮮のロシア大使館の妻だと伝えている。

専門家指摘「両国の親密さをアピールする狙い」

一見、豪華に見える北朝鮮ツアーだが、資料には貧しさをにおわせる次のような文言が記載されていた。

北朝鮮ツアーの資料より:
トイレットペーパーを持参すること。地方都市のカフェやレストランのトイレには、紙がないことが多いです。

韓国政府関係者は、北朝鮮がロシアの観光客を募集している動向があることを把握していると話している。

専門家は、今回のツアーについて、両国の親密さをアピールするのが狙いだとしたうえで、北朝鮮のスキーリゾートは見せかけで、実態は異なると指摘する。

YouTubeより
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龍谷大学・李相哲教授:
平壌でさえ電気が1日数時間しか来ない。(高級スキーリゾートは)舞台セットのようなもので、カメラが撮るときだけ立派に見せるというものと見ていい。
(「イット!」1月19日放送より)

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