防衛省は自衛隊の人材確保のため、新入隊員の頭髪基準を4月から緩和し、男性の丸刈り推奨ルールを廃止することを決定した。
木原防衛相は、隊員1人ひとりが働きやすい環境を作ることが自身の使命だと述べた。
髪型の規定は隊員の安全な活動を最優先するためのものであり、今回緩和されても、安全に支障が出かねない髪型はしないという点は変わらない。

自衛隊が丸刈り推奨を廃止

防衛省は自衛隊の人材確保のため、新入隊員の頭髪基準を4月から緩和し、男性に丸刈りを推奨しているルールを廃止する。

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人的基盤有識者検討会で、木原防衛相は「隊員1人ひとりが働きやすい環境をつくること。防衛大臣としての私の使命である」と話した。

新入隊員の髪形の基準は、現在配属される教育部隊が個別に定め、男性は丸刈り、女性はショートヘアなどを推奨している。

防衛省は、公立高校でも過度な髪形の制約を見直す動きが出ているとして、今回、丸刈りなどを推奨している基準を緩和し、統一する。

女性の長髪も、制服を着用した際は肩にかからないように1つにまとめるなどの条件付きで容認する。

このニュースについて、政治部の西垣壮一郎デスクがお伝えする。

―― なぜ今、新人隊員の髪型ルールの緩和を発表したのだろうか?

それは今、自衛隊員のなり手不足が深刻な中、人材確保が急務だということが背景にある。自衛隊の定員は、約24万7000人と定められているが、2023年度の末時点で22万7000人程度で、2万人近く隊員が不足している状況だ。

少子化高齢化などによる働き手不足で、自衛隊は、あの手この手で隊員募集につながる取り組みを行っている。

その1つとして、海上自衛隊はYouTuberさながらの動画配信をしている。

動画は、自衛隊ならではの飛行機内の紹介だけでなく「国家公務員初のYouTuberか?」などと盛り上げる内容となっていて、活動紹介を通じて隊員募集もはかるものとなっている。

話は髪型に戻るが、これまでどんなルールだったのかというと、陸上自衛隊は「短髪が望ましい、耳・眉毛・襟元に触れない」、海上自衛隊は「裾を刈り上げ、耳や襟元に触れない長さ」としている。

さらに航空自衛隊は、イラストで「頭の横側や後頭部は頭の形状に適合させている形で整形」とルールを示すなど、いずれもかなり細かな規定がある。

安全な活動が最優先

―― なぜ、こんなに厳密に決めているのだろうか?

それは、隊員の安全な活動が最優先だからだ。

丸刈りを推奨して、ヘルメットをかぶる妨げにならないように、また、目や耳に髪の毛がかかって、万が一のリスクを極力なくすための安全最優先の規定だ。

そのため、今回規定が緩和されても、安全に支障が出かねない髪型はしないという点は変わらない。(「イット!」 1月18日放送より)

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