1月16日、北海道の新千歳空港で起きた飛行機事故。当時、大韓航空機には乗客・乗員289人が乗っていた。
羽田空港での衝突事故からわずか2週間。なぜ再び事故は起きたのか?
今季一番の大雪の中で事故発生
北海道の新千歳空港の様子を捉えた16日午後3時半過ぎの映像では、激しく降る雪でまったく前が見えないホワイトアウト状態になっていた。事故は、今シーズン一番の大雪が降る中で起きた。

16日午後5時半ごろ、新千歳空港の駐機場で、韓国・仁川行きの大韓航空の機体と、香港行きのキャセイパシフィック航空の機体が接触した。

大韓航空機の主翼は先端部分がぐにゃりと折れ曲がった状態で、キャセイパシフィック航空機側は垂直尾翼付近に穴が開き、中の黒い骨組みがむき出しとなっていた。
当時、乗客・乗員289人が乗っていた大韓航空機。事故後の機内には乗客らしき人影が確認できた。

大韓航空機から乗客が次々と降りてきたのは事故から4時間後のこと。ゆっくりとした足取りでターミナルに進み、乗客の中には子どもの姿も見られた。
キャセイパシフィック航空機は出発準備中で機内に客らはおらず、双方の乗客・乗員にけがはなかった。
プッシュバック時に起きた事故 原因は?
航空機同士の事故は、東京・羽田空港で起きたばかり。1月2日、着陸直後の日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突・炎上した。

この事故からわずか2週間で再び起きた航空機同士の事故。原因は一体何だったのか?
大韓航空は事故後、「プッシュバック時に駐機中の他社航空機と接触する事案が発生しました」とのコメントを発表した。

プッシュバックとは、専用車両で機体を後ろに押し出すように移動させる作業を指し、出発前の飛行機を安全に自走できる場所まで移動させるもの。
事故直前、大韓航空機は離陸に向け、このプッシュバックをしていたという。

しかし、雪の影響で機体が横に滑り、主翼が駐機していたキャセイパシフィック機の尾翼の右側部分に接触したという。
大韓航空機は代替機で約12時間後に出発
雪によって路面が凍結していたのか。

事故当時、北海道は今シーズン一番の大雪に見舞われていた。空港周辺の積雪は42cmに達し、視界が真っ白となるホワイトアウトの状態。
飛行機の機体や翼にも雪が積もり、事故があった駐機上では雪かきをする作業員の姿が見られた。

大雪の影響で16日、新千歳都市空港ではあわせて141便が欠航。接触事故を起こした大観光空機は午後2時の出発予定だったが、3時間以上遅れていたという。
大韓航空機の乗客は、代替機で当初の予定から約12時間遅れて空港を飛び立ち、韓国へと向かった。

事故から一夜明け、雪がやんだ空港には翼の折れた大韓航空機が残されていた。
相次ぐ航空機同士の事故に不安が高まっている。
(「イット!」1月17日放送より)