寸胴鍋で煮込まれる豚汁。石川・七尾市の恵寿総合病院で振る舞われた炊き出しだ。
この記事の画像(17枚)熊本地震の被災経験から“恩返し”
準備から調理まで全てを行ったのは、熊本市にある慈恵病院から駆けつけた職員。被災地に入ったのは助産師2人、職員8人の計10人。患者とスタッフの両面からサポートしていくという。
慈恵病院は2016年に熊本地震を経験した。その際の経験から恩返しとして、今回の支援に至ったという。
熊本・慈恵病院 上田留美栄養管理室長:
私たちも地震のあと、2週間ぐらいも病院から帰れなかったんですよね。やっぱり患者さんとか地域の方のことが優先で、職員はもう本当に飲まず食わずじゃないですけど…。温かいものを食べて、ホッとする気持ちをすごく皆さんに持ってもらえるとうれしいです。
持ち込まれたのは「くまもとあか牛」のバーベキュー肉、約1000人分など。
被災者:
うれしいわね。熊本の人たちもひどい目におうたさかいね。この人たちもね。ようこんな遠いとこまで来てくれて、感謝感謝やわ。
被災者:
家も水が出ないので、調理がなかなかできないので。助かってます。
地震発生から10日以上、地元の医療を支え奮闘する、病院の関係者からも喜びの声が聞かれた。
恵寿総合病院 関軒香織看護師:
わざわざ遠くから来てくださってありがたいなと思いますし、うれしいですね。
恵寿総合病院 神野正博理事長:
職員もみんな被災者なんです。その人たちに対して、このお肉プロジェクト、伺って本当にうれしい。
珠洲市にはキャンピングカーが集結…その利用方法は
熊本市の関係者による恩返しの輪は、石川・珠洲市にも広がっていた。
駐車場に集結していた複数のキャンピングカー。利用方法について市の担当者に聞くと…。
珠洲市観光交流課 田中薫課長:
各自治体から(職員の)いろんな応援のお手伝いをしていただいております。ただ、支援に来ていただいた皆さんには非常に環境が悪い中、床に雑魚寝して、さらに仕事を手伝っていただくというような状況でして。そういった方々を休んでいただけるように、このキャンピングカーがございます。
きっかけは熊本市の職員からの提案だった。
珠洲市観光交流課 田中薫課長:
(珠洲市職員は)もうパニックでいる状態ですので。その中で(熊本市職員が)ご自身の経験から、こういうような手配をしていただいとるという感じです。
現在、珠洲市に到着しているのは、日本RV協会に所属する会社が提供したキャンピングカーなど19台。車のプレートを見ると、熊本、大宮、三重など各地から集結していることがわかる。
日本RV協会によると、東北の震災や熊本地震の際に同様の支援をしていて、今後さらに提供台数を増やしていくとしている。
(「イット!」1月12日放送より)