親族が集まる元日に起きた、能登半島地震。家族と一緒にいるその時、被災者はどう避難したのか。FNNが新たに入手した7本の映像から読み解く。
取り残された人がいないか確認しようとする姿も…
弾けるようにガラスが割れる音。こちらは地震発生時の石川・珠洲市の映像。
車などが激しく揺れ「誰かこっち来て」と助けを求める声も聞かれた。

その直後、倒壊した住宅が並ぶ通りには避難する一家の姿があった。「ヤバいマジで、本当にヤバい」と困惑しながらも、ご近所さんに取り残されている人はいないか、確認しようとする。

家屋などが崩れた様子を見て「大丈夫ですか?ちょっと助けにいく…」「絶対行った方がいい」などと話し、声をかけようとする人たち。

それに対して、早く避難するよう「ねぇ津波!」と声を張り上げる女性の姿もみられた。

珠洲市には発災の1分後に、津波が到達していたともいわれる。街が津波に飲まれる様子を見た人からは「これはもうダメだ」「あーダメや…」「流されとる」といった声が漏れた。
今回の一家は、その後すぐに高台に避難し、無事だったという。
「大丈夫だ!」弟を励ます兄の姿
海から離れた地域でも。こちらは地震発生時、石川・輪島市で撮影された映像。

車内で必死にドアにしがみつき、体を寄せ合う家族。「ヤバい!」「うわー!」「ねぇ危ない!」「落ち着け!大丈夫!」といった声が聞かれ、怖がる弟を兄が励ましていた。

車外には、地面に手をついて、しゃがみ込む人の姿もあった。

これを見て、車内の子供たちは「車から出た方がいいんじゃない?」と外に出たがったが、割れていく地面を見ながら、父親は「出んでいい」と制止していた。
専門家「家族が一緒になって避難を」
こうした映像からは、避難の際に家族で意見が分かれる瞬間も見られることが分かる。どう考えればいいのか、専門家に聞くと…。

防災システム研究所 山村武彦所長:
災害発生時には、とにかく家族が一緒になって避難すること。そして、小さな子供は抱きしめてあげること。家族と同じ場所で過ごすことが、大事だと思います。
(「イット!」1月12日放送より)