能登半島地震で石川や富山などの沿岸部にも大きな被害が出て、一時、北陸の海産物が長野県内に入ってこないなどの影響が出た。ただ、現在は徐々に戻ってきている。一方、県民おなじみの「ビタミンちくわ」は石川県七尾市の工場が被災し、出荷のめどは立たないという。
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地震直後は一部の魚が…
脂が乗った「寒ブリ」に、身が締まったヒラメやシマダイ。北陸の海の幸だ。
長野市の寿司店「ゆうきと寿し」。富山県内の漁港を中心にネタを仕入れている。
しかし、地震直後は一部の魚が入ってこない状況だった。

地震の影響で漁港も地割れが発生するなど被害が出たが、すでに競りは再開していて、徐々に魚を仕入れることができるようになった。
今のおすすめは旬を迎えた「寒ブリ」。
店は、「今年の寒ブリは脂の乗りもすごく良く『氷見の寒ブリ』っていうくらい良い寒ブリだ」と話す。

「北陸の海の幸」を食べて応援
また、客は「大変な状況だと思いますが、早く被災した方たちが安心できる生活の方が重要」、「富山に実家があるので、今回の地震は家族と連絡を取り合いながら今も心配している。また入荷できるようになって、たくさん北陸のお魚をいただいて、ちょっとでも活気づけるお手伝いができればと思います」と被災地を心配している。
石川・能登島でも定置網漁が再開。店では「北陸の海の幸を食べることも応援の一つになるのでは」と話している。

「ビタちく」出荷めど立たず
一方、長野市のスーパーでは、県民におなじみの”あの”ちくわの姿がない。
あのちくわとは、スギヨの「ビタミンちくわ」だ。7割が信州で消費されている。
しかし、地震で工場が被災し、出荷できない状況となっている。
「ビタミンちくわ」を製造している工場は能登半島の七尾市にある。今回の地震で天井が落ちたり機械が倒れたりする被害が出た。水も使えず、製造は完全にストップしている。

復旧して必ずお届けしたい
スギヨの広報は、「今、復旧の見通しも立たない状況で、またビタミンちくわを作れるのか分からない状況。70 年以上前から、毎日30万本以上作っていた。それが1日にして1本も作れなくなったということは、いまだに信じられない」と話す。
工場再開のめどは全く立っておらず、しばらくの間スギヨの「ビタちく」が食卓から姿を消すことになる。

スギヨの広報は、「『早く復旧できるように応援します』『待っているよ』というメッセージをいただくので、改めてビタミンちくわがたくさんの方に食べられていたのだと実感しています。また長野県の方に必ずお届けできる日が来るように、私たちも皆さんに届けたいという思いを胸に、復旧作業に取り組んでいきたい」と話している。
(長野放送)