能登半島地震で被災した高齢者を愛知県内の医療機関が受け入れることとなり、11日、愛知県に到着した被災者が病院に搬送された。名古屋にある石川県のアンテナショップでは、支援の動きが続いている。

石川県のアンテナショップへも”広がる支援”

現地の医療機関がひっ迫する中、福祉施設を利用している高齢者を愛知県内の医療機関が受け入れることになり、11日、ヘリコプターで移送されることとなった。

11日午前11時半、被災地からの自衛隊ヘリコプターが、県営名古屋空港に到着した。午後2時前には、第2便も到着した。

ヘリコプター2機で移送されたのは30人で、まず愛知県内の12の災害拠点病院などへ。健康に問題がなければ、高齢者福祉施設に移される。

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DMAT 津田雅庸医師:
(搬送時に)「あー疲れたね」「よく頑張って来てくれたね」という感じで、ちょっとホッとした顔をされてたのかな、こちらにきて

石川県輪島市の朝市通りでは、11日も大規模な捜索が行われている。焼けた家具やがれきなどを運びだし、安否不明者の手がかりを探していた。

能登半島の東に浮かぶ、七尾市の能登島(のとじま)にあるえの目町では、倒壊した建物の屋根が車を直撃していたほか、道路をふさぐほど大きく崩れた家屋もあり、街の至る所で地震の爪痕が残っていた。

えの目漁港から40年以上は漁に出ている木戸信裕さんは、地震から2日後、道路から海にかけて地面が沈下した港を見て驚愕したと言う。

港にある船約30隻や網などに影響はなく、8日から漁を再開し、この時期旬のブリを出荷したが、ある問題があるという。

石川県漁業協同組合ななか支所の木戸信裕さん:
水が通れば氷ができるんだけど、水がないもんで氷ができない

現在は約50分ほど離れた七尾市内に貯蔵されている氷でまかなっているが、今後も断水が続くと他の地域に頼らざるを得ないという。

木戸信裕さん:
去年から(ブリが)豊漁でみんな楽しみにしていたんだけど、まさかこんな正月に大地震があるとは思ってもみなかった。力を合わせながらお互い知恵を出し合いながらやっていかないと一人ではできないことなので

名古屋・栄にある石川県の名産などを集めたアンテナショップでは、支援の動きが続いている。

アンテナショップで募金する60代男性:
石川県被災しているから募金をしようと思って。日が経つにつれ、孤立しているところもあるから

珠洲市蛸島沖で獲れた「のどぐろ」、金沢名産「加賀鳶最中」、加賀市名産の「加賀棒茶」や漆器などの伝統工芸品も並んでいる。

能登半島地震以降、これまでの1.5倍から2倍のお客さんが訪れているという。

50代男性:
育ちが大阪だったので阪神淡路大震災を経験してから名古屋に引っ越してきたものですから、皆さんのご支援になればと

支援の動きが広がるものの、震災の影響は大きいという。

石川県観光連盟 名古屋観光物産案内所の担当者:
珠洲市の方の塩の製品が在庫ある限りになっていて、入ってこない状況になっています

被災地の甚大な被害により、道路が寸断されるなど仕入れが難しくなり在庫も少なくなっていて、次の入荷が未定の商品もあるという。

石川県観光連盟 名古屋観光物産案内所の担当者:
金沢の「福光屋」さんっていう酒造が作っている甘酒になります。先週発注をかけたんですけど入荷が今日になってしまって。物流がやっぱりまだうまくいってないので(届いて)よかったと思って

通常は、商品を発注してから1日から2日で届くが、今回は1週間経ってようやく店に届いた。それでも、客の支援に励まされ復興に向け前を向いている。

担当者:
購入して応援をしたいっていうことでいらしてくださって、本当にありがたい。なんとか早く復興して心のケアと体のケア、そして生活基盤が整うことを1番に願ってます

(東海テレビ)

東海テレビ
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