能登半島地震発生から10日。飼い主とともに被災したペットに、救いの輪が広がっている。

「ネットで探して探して、やっと…」
11日、富山県南砺市にある施設を訪れると、1匹だけ、ほかのと別の場所にいる猫がいた。
今回の地震で被災した猫のモモちゃんだ。

被災した猫を一時的に預かる支援団体「にゃんとボランティアネットワーク」は、24時間態勢で活動している。モモちゃんは、“受け入れ第1号”として、10日に預けられた。

モモちゃんが過ごしていたのは、石川・珠洲市。家は全壊してしまったものの、モモちゃんは奇跡的に生き延びた。

しかし、その後の道のりは苦難を極めた。
モモちゃんの飼い主:
ネットで探して、探して、やっと(富山県の)南砺市の預かってもらうところを見つけた。
モモちゃんと飼い主の男性は被災後、ほかの家族を避難させるため、かほく市や金沢市を転々とした。この間、猫を受け入れてもらえるところがなかなか見つからず、車中泊が続いた。

そして、やっとの思いで見つけた預け先が、富山・南砺市にあるこの団体。ここまでの道のりは800kmに及んだ。
過酷な体験を経て、当面の居場所を確保できたモモちゃん。スタッフがビデオ通話でつないでくれた。

モモちゃんの飼い主:
モモ!だいぶ元気な顔してます。モモ!モモ!
飼い主も一安心。1日でも早くモモちゃんを迎えに行けるよう、猫といられる避難先を探すという。
初詣中に被災した猫も…
11日、取材中にも、新たに猫を連れた親子が訪ねてきた。

ディオくん(6カ月)とダイナちゃん(5カ月)。この2匹を連れた親子は、珠洲市内で初詣中に地震に遭い、電柱が倒れるほどの激しい揺れに見舞われながらも、家族、猫ともに無事だった。

飼い主:
知らんところやね。水飲んでいいよ。
この団体には、すでに受け入れの上限を超える問い合わせが来ているため、ほかの団体などにも協力を依頼。スタッフの長谷川吉美さんは、「保護する団体に、援助とかそういうものを出してくれるようになったら、もっと救える数が多くなるのではないかと思います」と話し、災害時のペット支援の仕組み作りが重要だと訴えている。
(「イット!」1月11日放送より)