政治資金規正法違反の疑いで7日に逮捕された自民党・安倍派の池田佳隆衆院議員(57)。東京地検特捜部は、池田議員を逮捕した理由について、「具体的な証拠隠滅の恐れがあると判断した」と説明した。今後も議員が逮捕される可能性はあるのか――。そのポイントも「証拠隠滅の恐れ」となりそうだ。

キックバック直接受け取りか

自民党・安倍派の政治資金パーティーをめぐる事件で、キックバックされた現金を逮捕された池田佳隆衆院議員(57)本人が、派閥から直接受け取っていた疑いがあることが分かった。

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安倍派の池田佳隆容疑者は、会計責任者と共謀し、2022年までの5年間で派閥からのキックバック、約4800万円を収支報告書に記載せず、嘘の収入を記した疑いが持たれている。

その後の関係者への取材で、池田容疑者本人が、派閥からキックバックされた現金を直接受け取り、金庫などに保管していた疑いがあることが分かった。

池田容疑者の事務所関係者は、「池田容疑者の了承なしには何も決められない。収支報告書の不記載も秘書の独断ではできない」などと話しているという。

特捜部は2023年12月、池田容疑者の事務所などの捜索で、派閥のパーティーに関する事務所内での引き継ぎメモや領収書などを押収していて、池田容疑者が、裏金を実質的に管理していたとみて捜査を進めている。

このニュースについて、フジテレビ社会部・司法担当の中澤しーしー記者がお伝えする。

今後も議員が逮捕される可能性はあるのだろうか。

過去に議員が逮捕されたケースは、2003年までさかのぼり、ごく少数だ。特捜部は、池田議員を逮捕した理由について、「具体的な証拠隠滅の恐れがあると判断した」と説明した。特捜部が逮捕の理由を説明するのは、とても珍しいことだ。

取材でも、池田容疑者が証拠を廃棄するよう指示し、実際に記録媒体のデータが破棄されていたことが分かっているが、特捜部が強調したように、逮捕の理由はやはり、証拠隠滅にあったのだと思われる。

大野参院議員と谷川衆院議員も立件へ

そこで、他の議員も逮捕されるかどうかのポイントも「証拠の隠滅」となる。

特捜部は、同じくキックバックの額が突出している大野泰正参院議員と谷川弥一衆院議員について、立件の方針を固めているが、2人がもし、証拠隠滅を図ったり、口裏を合わせたりすれば、逮捕という可能性も出てきそうだ。

今後、安倍派の事務総長経験者の立件の可能性もあるのだろうか。

特捜部はすでに、安倍派の会計責任者を立件する方針を固めている。一方、事務総長まで刑事責任を問えるかは、収支報告書を作る際、事務総長の「役職」に最終的な決定権があったかが鍵となる。

決定権があれば、共謀があったと判断され、立件につながる可能性も出てくると思われる。
(「イット!」 1月9日放送より)

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