石川県七尾市の海沿いに立つ恵寿総合病院。地元の医療を担う、能登半島で数少ない大型総合病院も大きな被害を受けていた。

水と寒さ対策が課題「笑顔が戻れば」

1月1日、地震発生直後の病院内の様子を捉えた映像には「津波だから上、上、上!」という声が記録されていた。

地震発生直後の病院内。非常ベルが鳴り響き、床にファイルが散乱。
地震発生直後の病院内。非常ベルが鳴り響き、床にファイルが散乱。
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非常ベルが鳴り響き、床にファイルが散乱する中、看護師が赤ちゃんを抱き、高層階へと避難する姿も確認できる。

この日から8日。FNN取材団のカメラが9日正午ごろ、地震の爪痕が残る院内に特別に入ることを許された。

鎌田徹病院長:
あ、あの時計、4時10分で止まってる。嫌な感じ。

建物のつなぎ目部分が大きくむき出しになっている中、医療活動を維持するために様々な工夫がなされていた。従来、内視鏡室だった部屋は現在、産婦人科になり…。

従来、内視鏡室だった部屋は現在、産婦人科に
従来、内視鏡室だった部屋は現在、産婦人科に

鎌田徹病院長:
これは赤ちゃんの(保育器)。本来、ここじゃないんだけども。

それでも起きていた深刻な問題。病院長は、今の一番の問題は水だと話す。院内のトイレにも「水が足りません」と、節水を呼びかける貼り紙があった。

鎌田徹病院長:
能登の病院で、井戸水が潤沢にあって手術ができるのは、当院だけだったんじゃないか。

今も断水が続く七尾市。井戸水で治療を続けることができたが、多くの水を使う人工透析などが一時できない状態になった。

現在は、自衛隊から1日に15トンの水の供給を得て、人工透析を再開している。

鎌田徹病院長:
今後はまず、この寒さ対策。水も本当に自由に使えて、笑顔が戻れば。

石川県は、能登半島地震による災害関連死が、珠洲市内で6人確認されたと発表した。今回の地震で災害関連死の発生が明らかになるのは初めてだ。
(「イット!」1月9日放送より)

<フジネットワーク サザエさん募金>能登半島地震救援

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