規制線の中へ向かう複数の捜索隊員。9日午後、地震発生後初となる大規模な捜索が始まった。

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場所は石川県輪島市の観光スポット、朝市通り。この一帯では地震直後から大規模な火災が発生し、約200棟が焼失した。

地震の影響もあり、十分な捜索活動が行われなかったこの場所で、ようやく始まった大規模捜索。イット!はその様子を見つめる人々を取材した。

朝市通りで“大規模捜索”開始 約4万8000㎡が焼失

現在、石川県内で安否不明となっているのは102人。そのうち、9日に新たに追加された不明者は全て輪島市内の人だ。

9日午後1時すぎ、日本三大朝市の一つに数えられ、人気の観光名所だった輪島市の朝市通りで捜索が始まった。

雨が降る中、石川県警を中心とした約100人の警察官が、膝当てなどをつけて不明者の捜索あたった。

この一帯で地震の直後に発生した火災は、みるみるうちに店舗や住宅をのみ込んだ。

黄色で示した道路の左右にあった建物がほとんど焼け落ちている
黄色で示した道路の左右にあった建物がほとんど焼け落ちている

左の画像は、上空から撮影された火災発生前の朝市通り。黄色で示した道路の左右に黒い屋根の建物が複数確認できる。一方、右の画像は、火災後の現場を上空から撮影したもの。2つを比べると、ほとんどの建物が焼け落ちているのが分かる。

焼失したのは約4万8000平方メートルで、その範囲内には200棟ほどの建物があったという。

捜索を見守る女性「火事だけが悔しくて」

FNN取材団は9日、燃えてしまった朝市通りに住んでいた85歳の女性に話を聞いた。

朝市通りに住んでいた女性(85):
何とも火事だけが悔しくてね。本当にね、火事がなければ何とでも。私らでも例えば、遺品の一つでも取り出せたのにって。それが一番、私悔しいですよ。

女性は、近くに住んでいた友人らの安否を気にかけ、捜索の様子を見に来たという。

朝市通りに住んでいた女性(85):
長いことのお付き合いですから悲しいですし、少しでもなんかの形で見つかっていただきたいなと思っております。どんな形でもいいですから、何か見つかってくだされば、うれしいです。本当に悲しいです、何も言えません…。みんなの立派な家がね、このようなことになったかと思うと言葉がでませんよ、本当に…。ただただ、涙だけ出ます。

こちらの男性も、火災現場に知人が住んでいたという。

朝市通り近くに住んでいた男性(74):
孤立したりで助けることができなかった、それはしょうがないとは思うんですけれど、できればもっと早くやってほしかったなと思いますけどね。少しでも、骨とかそういうものを見つけて、遺族の方に渡していただければ…。

近隣住民撮影
近隣住民撮影

男性が撮影した火災時の映像では、激しい炎とともに車のクラクションが鳴り響いていた。

朝市組合の組合長によると、約190人の組合員のうち、火災後に安否が確認できた人は50人ほどだという。

9日の捜索現場で行われたのは、スコップで灰を取り除く作業や、がれきを運び出す作業。午後3時ごろには、周囲にブルーシートを張る様子も見られた。

捜索は約100人態勢で、1月13日まで行われる見通しだ。
(「イット!」1月9日放送より)

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