被災地で開かれた“二十歳の門出を祝う式典”。参加者には、さまざまな思いがあったーー。

「私が成人式を迎えてもいいのかって」

石川県金沢市では、「成人の日」の8日、二十歳の門出を祝う式典が開かれた。

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その冒頭、地震で犠牲になった人たちへ黙祷が捧げられた。

参加者の代表者による誓いの言葉では、「私たちも復旧に向けて、微力ではありますが協力していきたいと思います」と被災地への思いも述べられた。

石川県では、大きな被害が出た輪島市や珠洲市など12の市町で「二十歳のつどい」が中止となった。

金沢市の式典に晴れ着姿で参加した人たちの中には、複雑な思いを抱く人もいた。

「高校の同級生が被災地に多くいて、正直私が成人式を迎えてもいいのかっていう、あんまり前向きな気持ちにはなれてなくて。能登半島は小さい頃からよく行ってた大好きな場所なので力になれるようなことを頑張っていきたい」

また別の参加者は、「私も1月1日の地震発生の時に能登の方にいたので、そこから金沢の方に戻ってこれて、不安もあったんですけど久しぶりにみんなの顔を見られてうれしいです」と話した。

比較的被害の少なかった金沢市では、当初の予定通り、6日から8日にかけ、各自治体で式典が開催された。参加者からは「久々に会えた友達とかもいて、開いていただいたからには、楽しみたいなと思いました」、「みんなでまた集まれて、すごく心強いし、この日を迎えられて良かったなと思います」といった声が聞かれた。

富山県では高岡市、氷見市、小矢部市で延期

また、富山県で予定されていた「はたちの集い」は、地震の影響で、高岡市、氷見市、小矢部市で延期が決まったが、富山市では7日、地域ごとに式典が開かれた。

富山市では参加者代表の相佐駿斗さんが「被災された皆さんに心よりお見舞い申し上げます」とお悔やみの言葉を述べた。

式の後は記念撮影などが行われ、友人との久々の再会に笑顔をみせていた。富山市の参加者からは「いつ何が起きるか分からないですし、こうやってみんなと無事に会えたことがうれしい」、「実際に(被害の大きい)珠洲市の方にも友達がいるので、“命の重さ”を改めて感じました」といった声が聞かれた。
(「イット!」 1月8日放送より)

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