各地に甚大な被害をもたらしている能登半島地震。
これまでに石川県で94人が死亡、222人が安否不明になっていて、5日も懸命の捜索活動が続いている。
坂元龍斗キャスター:輪島市内に向かってるんですが、通れなくなっています。この先見えますか。道路が陥没して通れなくなってるんだ…、完全に通行止めですね。
石川県の能登半島地震は発生から、5日で5日目。いたる場所で陥没などが目立つ。
坂元龍斗キャスター:来るまでも、ヒビは入ったりしていたんですが、ギリギリ通ることはできて、(この先は)道が通れなくなっているのが、目視でもわかります。
■「72時間の壁」を超えても、懸命の救助活動が続いている

記者リポート:こちら珠洲市内です。京都から応援で来た、消防隊が安否確認を行っています。
「誰かいますか」と、大きな声で呼びかけ確認する。
消防隊員:傾いてる方向考えて、余震あったら倒れるから気をつけや。
「退避、退避~」
度々起こる地震で作業は中断する。
被災地では消防隊員が倒壊した家屋を1軒1軒まわり、取り残された人がいないか確認している。
石川県内ではこれまでに94人が死亡、222人の安否がわかっていない。

そんな中…
消防隊員:布担架ないですか?
生存率が急激に下がるとされる「72時間の壁」を超えた、4日、午後4時半ころ、大阪消防局によって80代の女性が助け出された。
2階が落ちてきて、1階の部分で下敷きとなり、救助を待っていた。
消防隊員:おかあさん、よう頑張ったね。大丈夫やからね。

土砂崩れの発生によって、孤立した現場には空からの救助が到着した。
空から人命救助を行う東京消防庁のエアハイパーレスキュー隊が、3人を運んだ。
■道がふさがれている場所でも「とりあえず歩いて物資を運ぶ」

道路の寸断はいたる場所にあり、物資の運搬が難航している。
取材班:もう行けない、通れないですね。
自衛隊が救援物資運んでいたが、倒れた木が道をふさいでいる。
隊員:(Q.今からどうされる?)この先の空熊地区に行って物資を届ける。(Q.車で行けないってことはずっと歩いて?)ずっと歩いて行きます。きょう中にできれば。この先、道路状況、分からないですけど、とりあえず歩いて行きます。
■被災地では水不足が深刻 復旧のめどはたっていない

被害は輪島市内の木造建築が並ぶ地域でも。
坂元龍斗キャスター:1階がつぶれて、2階が落ちている。2棟続けてつぶれてまっている。
また被災地では断水による水不足が続いている。輪島市で1万戸、七尾市では2万1500戸など能登地方のほぼ全域で断水が続いていて、復旧のめどは立っていない。
輪島市内には、用水路で水をくんでいる人の姿があった。
坂元龍斗キャスター:これは今どういう状況?
水をくみに来た人:簡易トイレが一応、水洗になっているけど、水がないから、ここからくんでいる。いろんな面で大変ですよ。

避難所になっている高校でも水不足が深刻だ。
被災した人:水は来ていません。水がないと洗い物ができない。外の仮設トイレなら衛生的にもいいけれど、中だと(流せないので)病気がはやったりすると大変。本当に助けてと、誰に言っていいのか分からない。
さらに、地震の犠牲者が次々と明らかになることで、精神的にもつらい状況が続いている。
被災した人:亡くなった人がたくさんいるので、まだみんなまでは分からないので、後から悲しみが来ると思います。

苦しい避難所生活はほかにも。
孤立状態だった能登町の北河内地区では高齢男性2人が集会所に避難している。
集会所に避難した人:電気なし、水道なしは初めての経験ですね。
区長が地域の人に車で食料などを届けているということだが、そのためのガソリンも足りないと訴える。
能登町北河内地区 池田光正区長:車のガソリン(が足りない)。食料を各家庭に配布しようとしても、距離的に隣同士が離れているから、車でないと都合が悪いし。(Q.もし大雪が降ったらまた孤立状態に?)電柱が倒れたり、土砂崩れが起きたら、また孤立状態になると思います。
食料や物資の不足、そして孤立への懸念。被災した人の生活はいまだ先が見通せない状態が続いています。
(関西テレビ「newsランナー」2024年1月5日放送)