"幻”と呼ばれる赤い西洋ナシ「リーガル・レッド・コミス」。山形・上山市が国内で初めてその実をつけることに成功した。なんと1個1,000円超えという高値での出荷だ。生産者も幻の洋ナシに期待を寄せている。

「トロトロで甘い」幻の赤い西洋ナシ

12月21日、山形・上山市で“幻”とも呼ばれる西洋ナシの試食会が開かれ、上山市長や市内の生産者など約20人が参加した。

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幻と呼ばれる赤い西洋ナシ「リーガル・レッド・コミス」は、アメリカが原産で、市内の8人の生産者が12年前に栽培を始め、国内では上山市が初めて実をつけることに成功した品種だ。

その特長は皮が赤いだけでなく、甘味が強く酸味が少ないこと。そして果肉がきめ細かくなめらかなことだ。皮は真っ赤だが中身は一般的な洋ナシと同じで、実際に食べてみるとトロトロで甘味が強く、爽やかな酸味もあり、とてもおいしい洋ナシだそう。

課題は「増産」 生産者の挑戦続く

ただし、幻とも呼ばれる赤い西洋ナシにも課題はある。

「リーガル・レッド・コミス」は生育速度が遅いのが課題で、2023年の上山市内での生産量は1トン足らず。現在の販売先は、上山市のふるさと納税の返礼品と、首都圏の一部への出荷に限られている。

それでも1個1,000円以上と、ラ・フランスの3倍以上の価格で出荷される“幻の西洋ナシ”に、生産者である園芸作物産地化研究会の佐藤和美代表は「百貨店のショーウインドウにリーガル・レッド・コミスが多く並んだらすごいだろうな…と想像してそれを狙っている」と期待を寄せていた。

次の課題である「増産」に向け、生産者たちは今後も研究を続けるという。

(さくらんぼテレビ)

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