外務省が20日公開した外交文書で、1992年10月の天皇陛下の中国訪問の際、当時の宮沢喜一総理大臣が国民の反発などを懸念して、決定を躊躇していたことが明らかになった。

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公開された外交文書は6500ページにわたるもので、政府は、1992年の日中国交正常化20周年に合わせて、天皇陛下の中国訪問を検討をしていた。

しかし、自民党内などで、訪中時に中国が天皇陛下の謝罪に期待を示す向きがあったことなどから「天皇を政治に巻き込むべきではない」と慎重意見が広がっていた。

こうした中、宮沢総理は、外務省幹部に「党内や国民に亀裂が生じるような形で実施したくない」と伝え、その後、「腹を決めないのはだらしがないと言う人がいるが、本件はそういう性格の問題ではない」との考えを示していた。

宮沢内閣はその後、調整を加速し、10月に訪中は実現した。
(「Live News days」12月20日放送より)

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