2023年の夏、山形県内では危険な暑さが毎日のように続き、熱中症による痛ましい事故が起こった。また、異常な高温と雨不足は農家や酪農家に深刻な影響を与えた。「猛暑」をテーマに、山形の1年を振り返る。

平年より早くサクラが開花

3月中旬、山形市の幼稚園のソメイヨシノが咲いていた。

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県内でも特に早く咲くことで有名だが、2023年は特に早く3月9日に開花した。県内各地のサクラの名所でも、平年より10日以上開花が早まったところもあった。

平年より高い気温は、春先こそ心地よく感じられたが、次第に「不快で」「生活を脅かす危険な暑さ」に変わっていった。

“危険な暑さ”に 熱中症による事故も

山形市では7月7日に2023年で初めて35℃を超え、7月下旬からは猛暑日になるのが「当たり前」のようになった。

「タオルがないと生きていけない」という人も…
「タオルがないと生きていけない」という人も…

2023年、山形市で猛暑日になった日数は、これまでの最多「19日」を大幅に更新する「28日」だった。この記録的な猛暑は、痛ましい事故につながった。

7月28日、米沢市で部活動を終え、自転車で帰宅途中だった女子中学生が熱中症で倒れ、その後亡くなった。この事故を受け、教育現場では「熱中症警戒アラート」や、測定する「暑さ指数」を活動実施の目安とするなど、対策が徹底されたはずだった。

約1カ月後にも同様の事故が起きた
約1カ月後にも同様の事故が起きた

米沢の事故から約1カ月がたった8月24日、山形市の第十中学校のグラウンドで体育祭の練習中、生徒13人が熱中症で病院に運ばれた。学校が測定した暑さ指数は「28.7」。激しい運動は避ける「厳重警戒」だったが、学校は十分な休憩をとりながらの実施を決めた。

設置されるものと同じタイプの冷房機器
設置されるものと同じタイプの冷房機器

これらの事態を受け、県は教育現場での熱中症対策として、高校や中学校の体育館などに、2023年度中に移動式の冷房機器の設置や、購入補助を決定した。

設置される冷房機器は、縦約130cm、横約90cmと比較的「小型」なもの。県は空間全体を冷やすのではなく、休憩の際に近くに行きクールダウンしてもらうことを想定している。県立学校には2024年2月上旬に納入される予定だ。

リンゴやコメ…深刻な影響は名産品にも

8月下旬に鶴岡市三瀬を訪れると、豆の1つ「ささげ」が枯れて山積みになっていた。

異常な高温と雨不足は農業に深刻な影響を与えた。田んぼのイネは枯れてしまい、黄金色ではなく「茶色」に変色。農家は「水がない年はけっこうあるが、ここまでというのは記憶にない」と危機感を募らせていた。

地面に転がったリンゴ
地面に転がったリンゴ

山形が誇るさまざまな果樹が収穫目前となった9月、朝日町特産・リンゴの園地では地面にたくさんのリンゴが転がっていた。強すぎる日差しで表面が焼けてしまったのだ。

このような高温少雨の農作物被害は、33市町村49品目に及び、畜産でも体調が悪くなった牛の乳の出が悪くなり、生産量が減少した。

そして猛暑と雨が少なかったことの影響で、この秋収穫された県産米の一等米比率が47.4%と、現在の検査体制になった2006年以降最低となった。

高い数値を維持した「雪若丸」
高い数値を維持した「雪若丸」

その中で際立ったのが88.1%と、暑さに強い「雪若丸」が比較的高い数値を維持したことだった。これを受け、県は暑さ対策として2024年の雪若丸の作付面積を予定より500ヘクタール増やし、5,600ヘクタールにすることを決めた。

加えて、暑さに強いコメの新しい品種を開発するため、2024年から有望な品種系統の試験栽培を県内各地で行っていく。

県農林水産部 地主徹部長:
頻発化する異常高温などの気象変動に強い品種開発に取り組み、日本一の良食味・高品質の米どころを確固たるものにしていく

今後も2023年のように暑くなるのか。
2024年の8月までの気温などを含む「暖候期予報」は、2024年2月20日ごろに発表される。

(さくらんぼテレビ)

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さくらんぼテレビ
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