冬の訪れを告げる「紅柿のれん」が山形・上山市に登場した。毎年の風物詩となっているが、2023年は春先の霜被害などで柿の収穫量が大きく落ち込んだという。
「紅柿のれん」今年は2カ所に
「紅柿のれん」は、山形・上山市内で300年以上前から栽培されてきた特産「紅柿」を知ってもらうため毎年行われていて、初冬の風物詩として市民や訪れた人に親しまれている。
この記事の画像(13枚)11月10日は、地元の生産者など約10人が駅のホームに一つひとつ丁寧につるしていった。
しかし2023年は、春先の霜や夏の猛暑の影響で、「紅柿」の収穫量が市内全体で約4割落ち込んだ。そのため「紅柿のれん」に使われる柿の数は2022年より約960個少ない2,400個となり、「紅柿のれん」の展示は駅のホームと駅前の観光案内所の2カ所だけとなった。
山形農業協同組合広域干柿部会・山田久雄部会長:
特産の干し柿を知ってもらうために“いよいよ始まったな”という感じ。わたしも20年近く干し柿を作っているが、このような霜被害は初めて
「収入もガクンと違ってくる」
20年以上紅柿を栽培している生産者の金原茂美さんも、「こんなにひどいと思わなかった」と話す。
干柿生産者・金原茂美さん:
霜の影響で、花が全然咲かない、花芽ももたない。今まで何十年と栽培しているが、そんなに霜の害なんてなかった。この辺は雨が少なかった。だから実も大きくならなかった。春先は5割くらいいくかなと思っていたけど、いざもぎ始めると3割くらい。下手をすると2割かも
金原さんの園地では、2022年の3割程度となる約1万個の収穫を見込んでいる。
干柿生産者・金原茂美さん:
消毒も高くなった、肥料も高くなった。それなのに2~3割しか収穫できないとなると、収入もガクンと違ってくる。なんとか来年に期待してがんばるしかない
収穫量は少ないものの全体的に糖度は高い紅柿。干し柿は、12月上旬から上山市内の店頭に並ぶという。
(さくらんぼテレビ)