大分空港へのアクセス向上が期待されるホーバークラフト。訓練初日に事故が起きてから12月8日で1か月が経過した。操縦の難しさや安全への取り組みについて元船長や運航会社に話を聞いた。

ホーバー操縦訓練初日に事故

「悲しい。やっぱりああいう風に、事故の跡を見ると」

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事故が起きた大分空港の発着地でこう話すのはホーバークラフトの元船長宮本恵博さん。

11月8日、運航会社「大分第一ホーバードライブ」の操縦訓練初日。1番船の「Baien」が空港でガードレールに衝突する事故を起こした。
この影響で訓練は延期に。1月から船体の修理が行われる予定だ。

元船長が語る 操縦の難しさ

宮本さんは2009年に運航を休止した「大分ホーバーフェリー」で、16年間船長を務めた。
ホーバーは気象条件をはじめ乗客の人数やその座る位置が影響するほど操縦が難しい乗り物だったと話す。

「陸に上がったらもう全く無風状態でも不安定な状態になるけっこう難しい乗り物。事故原因はコース取りとオーバースピードかなと思う」(ホーバークラフトの元船長 宮本恵博さん)

宮本さんは「難しいのは陸上の航走路。スケート場で大型バスを走らせるような感覚だった」と指摘する。

「私的見解だが、訓練するのに海上では2、3ぐらい。陸上が7、8ぐらいの割合かと思う。ゆっくりゆっくりワンステップワンステップしていければ必ず出来ると思うんで頑張って欲しい」(ホーバークラフトの元船長 宮本恵博さん)

運航会社 事故後1か月を振り返る

一方で、現在の運航会社は事故後1か月を次のように振り返る。

「この1ヶ月間は事故を起こしてしまったのをどう回復させていくのか信用の回復、壊れた船に関してもどういう風に修繕していくかっていうところにかなり追われた。訓練期間を今までよりも長く持たなくてはいけないと現時点では考えている」(大分第一ホーバードライブ 小田典史社長)

訓練は早ければ来年1月、2番船を使って再開されるが1番船が使えないため2月からは操縦士2人をイギリスに派遣し訓練を行うという。
また県内での訓練でも造船会社から直接指導を受けることになった。

小田典史社長は「今後、どういう形で安全性と安全な運航というものを見せていけるのか、本当に注力していかないといけない。そういう思いが今ある」と話す。

早ければ来年1月に、県内での操縦訓練が2番船を使って再開される。また、3番船が到着するほか、壊れた1番船の修理も始まる。
大分第一ホーバードライブは引き続き、今年度中の運航開始を目指している。
空港とのアクセス向上が期待されるホーバー。県民などが安心して利用できるように安全第一で準備を進めてもらいたい。

(テレビ大分)

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