今年も残すところ1カ月を切り、気がつけば年末年始が近づいている。

今年一年のお礼参りや初詣にと、年末年始は神社に行く人も多いだろう。

そこで、想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」では「神社・お寺」に注目。

「参拝するまでの道のりが険しすぎるお寺」「細かすぎるお守りがある神社」「参拝方法が真逆な神社」など、“ナナメ上”な「神社・お寺」を取材した。

まずは、一年の疲れも癒やせるかもしれない、旅行をかねて参拝できる神社から。

露天風呂も楽しめる神社

温泉地・箱根にある「天成園(てんせいえん)」は、箱根の豊かな四季を眺めながら、全長17メートルの「天空大露天風呂」を楽しむことができるホテルだ。

神奈川・箱根町「箱根湯本温泉 天成園」
神奈川・箱根町「箱根湯本温泉 天成園」
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その庭園内にあるのが、江戸時代に創建された「玉簾(たまだれ)神社」。

玉簾神社
玉簾神社

家内安全、商売繁盛、開運出世の社として信仰を集め、縁結びの神様もまつられている。

そのご利益にちなんで、ハートをかたどった特製の絵馬も。

宿泊しなくても温泉の利用や神社の参拝は可能なため、湯上がりに浴衣で参拝というのも、オススメだ。

続いては、参拝するまでにすごく時間がかかってしまうお寺。

お堂までの道のりが長く険しいお寺

鳥取県三朝町の「三徳山三佛寺・投入堂(みとくさんさんぶつじ・なげいれどう)」。

標高約900メートルの三徳山に、西暦706年に開山されたといわれるお寺で、国宝に指定されている。

鳥取・三朝町「三徳山三佛寺・投入堂」
鳥取・三朝町「三徳山三佛寺・投入堂」

参拝する「投入堂」はまず、約250段の階段を上がり、本堂へと向かう。

そこから約700メートルの山あいを登山しなければ参拝できないといい、道中には険しい道のりもあることから「日本一危険な国宝鑑賞」といわれる有名な場所だという。

しかし、その道中にある絶景や投入堂の神秘的な雰囲気は、登った人しか味わうことができない。

そこで、登山初挑戦の調査員が体を張って調査開始。

まずは、受付で登山に適した服装かチェックする。

登山靴がベストで、靴底に凹凸がないスニーカーだと入山許可が下りない。

わらぞうり 900円
わらぞうり 900円

その場合は「わらぞうり」を購入して履き替えることで、入山許可が下りる場合があるという。

そして必ず2人以上で入山しなければならないため、今回は三徳山三佛寺・執事次長の米田良順さんが同行してくれた。

三徳山三佛寺・執事次長 米田良順さん
三徳山三佛寺・執事次長 米田良順さん

入山料を納めたら登山開始。

赤い門をくぐり、橋を渡っていざ、入山すると、早速最初の難関が訪れる。

その名も「カズラ坂」だ。

両手で木の根につかまりながら登るも、調査員は「握力めっちゃ使いますね。結構な高さ…」と最初の難関に苦労する。

登りきった後も、約20分間、足場が悪い山道をひたすら歩き、さらにゴツゴツした岩の間を進む。

まるでロッククライミングのような道を登りきった後に待ち受けるのは、最大の難所だ。

約8メートルある一本の鎖に全体重を預けながら岩の上を進んでいく「クサリ坂」。

この鎖は転落防止のため、頑丈に作られており、重さ600キロまで耐えられるというものだが、万が一手を離してしまうと超危険な、まさに命綱ならぬ“命鎖”だ。

やっとのことで「クサリ坂」を登り切ると、標高約500mの場所にある「文殊堂(もんじゅどう)」に到着する。

三徳山文殊堂
三徳山文殊堂

そこで待っていたのは、あたりを一望できる超絶景スポットだ。

休憩ができる中間地点で、縁側に座り、絶景を楽しみながら英気を養うことができる。

ちなみにこの絶景スポットは、高所の恐怖に打ち勝ち、縁側を回りきれば知恵を授かると言われているという。

そして休憩を挟んだ後も、険しい道が続く山や岩肌を進んで行き、入山してから約1時間45分経過した頃、ついに標高約900メートルの切り立った崖に立つ「投入堂」に到着する。

投入堂
投入堂

この「投入堂」は、その昔、ある修行者が法力で小さくしたお堂を断崖絶壁にある岩窟に投げ入れたことから、「投入堂」と名付けられたという言い伝えがあり、毎年全国から約3万人が訪れるという。

体力に自信のある方はぜひ訪れてみてはいかかでしょうか。

続いては、細かすぎる神社。

細かすぎるお守りがある神社

岡山県倉敷市にある「日本第一熊野神社」は、1000年以上の歴史を誇り、国や県の重要文化財に指定されている本殿がある神社。

岡山・倉敷市「日本第一熊野神社」
岡山・倉敷市「日本第一熊野神社」

そんな由緒ある神社が細かすぎることは「お守りの種類」だ。

思いつくお守りの種類は「開運」「健康祈願」「縁結び」「金運」など数種類だが、日本第一熊野神社には、フックにつるされたお守りがズラリと並ぶ。

どのようなお守りなのかというと、「鼻之御守」「歯之御守」「口之御守」、さらに「首之御守」など、体の部位ごとのお守りに加えて、「ドーパミン御守」や「アドレナリン御守」と、どのようなご利益があるのか分からないものまである。

これらは「からだ御守」と呼ばれ、細かい部位に分かれたものが現在60種あるといい、これは確かに細かい。

からだ御守 1体800円
からだ御守 1体800円

厄除け全般、病気、仕事や学業などのポピュラーなお守りもある中で、なぜ「からだ御守」だけ、細かく分けられているのか。

発案者で宮司の佐藤みつゆきさんは「人間、身体健全でありたいのは当然の話です。だけど、どこかの部位が悪くなると身体健全から外れてしまい病気になるんで、その細かいところに対応しようという考え方です」と、話す。

将来的には「煩悩の数」にちなみ108種作る予定だという。

続いては、参拝方法が真逆な神社。

拝まない・頭を下げない神社

長野県茅野市にある、みその製造・販売をする丸井伊藤商店の中にある神社。

長野・茅野市「丸井伊藤商店」
長野・茅野市「丸井伊藤商店」

みその製造・販売を行うみそ蔵にあるため、それだけでも一風変わっているが、参拝方法も変わっているという。

どのように変わってるのか、その参拝方法を見てみると「貧乏、飛んでけ!貧乏、飛んでけ!貧乏、飛んでけ!」と、大声で叫びながら、参拝者は何かをたたいている。

実はこの神社にまつられているのは貧乏神だという。

自分の「心の貧乏」を取り除き、プラス思考になるために貧乏神をたたいて、蹴飛ばして追い払うという独特の参拝方法なのだ。

長野・茅野市「貧乏神神社 諏訪分社」
長野・茅野市「貧乏神神社 諏訪分社」

参拝の仕方は、まず貧乏神の身代わりであるご神木を“貧棒(びんぼう)”と呼ばれる木の棒で3回たたき、さらに3回蹴飛ばす。

その後、100円を納めて豆を手に取り、豆まきの要領で貧乏神に投げつけるという。

一般的な神社での参拝方法とは正反対だといい、「(貧乏神なので)拝んじゃいけない。頭は下げてはいけません。(貧乏神は)願い事はかなえてくれそうにもないですから」(丸井伊藤商店 社長 伊藤英一郎さん)

伊藤さんは「心の貧乏を追い払って、明るくなって帰ってくれたら」と話す。

ストレス発散もできる貧乏神神社、気になった方は足を運んでみては。

(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年12月5日放送)