テイクアウト需要の高まりで急増した「から揚げ専門店」。
しかし、倒産件数は今年11月までに22件と、去年の7倍に急増している。
ブームは終焉を迎えたのか。

「店舗が多すぎて、飽きちゃった感じ」

外はカラっと、中はジューシー…食卓の人気者「から揚げ」。
テイクアウト需要の高まりで、街に急増した専門店が危機に直面している。

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からあげ大ちゃん 馬上大地社長:
原価高騰が続いている状態なので、から揚げ店としてもかなり厳しい状況にはあります

食材の高騰や競争激化などにより、から揚げ専門店の倒産が相次いでいる。

取材班が向かったのは、横浜市の東急日吉駅前。
2年前、駅前の商店街に4店舗のから揚げ店があった激戦区。

しかし、以前から揚げ店があった場所に行ってみると…。

記者リポート:
こちらの通りはですね。 以前はから揚げ店が2つ向かい合っていたんですけれども、今は1つのお店は全然違う飲食店になっていますね

1軒は、全く違う飲食店に変わっていた。

30代女性:
持ち帰りとか、コロナで需要があったんだろうけど、それがなくなったからじゃないですか

8日に取材すると、2年前、駅前に4店舗あったから揚げ専門店は2店舗に減っていた。

残っていたうち、1店舗の看板メニューは、鶏もも肉を一枚まるごと揚げた、ビッグサイズの台湾から揚げ。
3年前にオープンしたというこちらのお店、ライバル店の閉店をこう見ていた。

ムーケテイー 牡 丹芳社長:
ちょっと(店舗が)多すぎるかな。この街は何軒も日本のから揚げ屋さんがあって、飽きちゃった感じ

帝国データバンクによると、持ち帰りを中心としたから揚げ専門店の倒産件数は、今年11月までに22件と、去年の7倍に急増している。

その大きな原因が、原材料費の高騰。
こちらの店も、仕入れの負担に頭を悩ませていた。

からあげ大ちゃん 馬上大地社長:
(鶏もも肉は)元々は400円ぐらいだったものも、最近では540円とか上がって。本当に一気に値上がりという感じ

ここ1年で、から揚げに使う鶏もも肉の仕入れ値は3割、加えて油も3割上昇。

からあげ大ちゃん 馬上大地社長:
から揚げって日本の伝統的食だと思っておりますので、できる限り続けていきたいなと思いつつも、やはりそこはちょっと不安でもあります

この逆風の中、店は何とか生き残るため、これ以上の値上げはせずに新たな活路を模索中だ。
(「イット!」12月8日放送より)