2024年4月に開校する北桜高校の新しい校歌を作った岩手・二戸市出身のロックバンド「SaToMansion」が、この曲を多くの人に知ってもらおうと、自分たちの原点であるロックバージョンにアレンジし、地元のライブで披露した。曲に込められた思いを取材した。

「強い曲になると思う」

11月11日、二戸市のなにゃーとメッセホールでライブを行った、二戸市出身で4人兄弟のロックバンド「SaToMansion」。そこで歌ったのは、2024年4月に開校する北桜高校の校歌「栄光」だ。

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君と笑えた日も 一人泣いた夜も
栄光の旅路を 走れ どこまでも

一戸町の一戸高校と二戸市の福岡工業高校は2024年4月に統合し、新たに北桜高校として生まれ変わる。SaToMansionで作詞作曲を担当している佐藤和夫さんは2022年11月、この新しい学校の校歌の作成を依頼された。バンドメンバー全員が、統合する2つの学校の卒業生だったことが理由だ。

和夫さんは新しくできる学校への熱い思いを曲に込めた。

SaToMansion 佐藤和夫さん:
「栄光の大空に手をかざすのさ」は、栄光をつかんだわけでもない自分が、手を伸ばすとか手をかざすとか、未来・夢に向かって突き進むんだというマインドがちゃんと伝わると思った。メロディーがきれいであれば、ロックにもなるしピアノの伴奏でも負けない、強い曲になると思う

生徒「歌っていて楽しい」

校歌が完成したのは2023年8月だった。

SaToMansion 佐藤和夫さん:
きょうはついに校歌のレコーディングの日。ピアノと歌をミックスして、仕上げていこうと思う

CD収録のため、一戸高校と福岡工業高校の生徒たちが新しい校歌を歌う。合唱曲として聞くのは、和夫さんも初めてだ。

新しい校歌を歌う生徒たち
新しい校歌を歌う生徒たち

世界のどこかで きっと僕を待ってる
いつの日か煌く 明日の為に

一戸高校の生徒からは「現代的な曲を作ってくれてすごくうれしい、楽しい」「歌っていて楽しかった。これが校歌になるのかと」と好評。中にはこんな生徒も。

一戸高校の生徒:
「選んだこの道を悩みもがきながら」っていうところが、進路とか色々悩んでいたので、境遇に合う。お気に入りの歌詞

SaToMansion 佐藤和夫さん:
卒業しても歌いたくなるような、そこで勉強している時だけじゃなく、思い出してほしい歌。一生心に残る歌であるよう願って作った。やっと命が吹きこまれた。自分の歌であり、自分の歌じゃないので

ロックバージョンで披露

普段は東京を拠点に活動しているSaToMansionだが、11月11日、地元・二戸市で音楽イベントを開いた。

SaToMansion 佐藤和夫さん:
2024年開校、岩手県立北桜高等学校校歌「栄光」。聴いてください、ロックバージョンです

ライブのアンコール曲、会場のボルテージも最高潮に達した中、SaToMansionとして初めて披露した北桜高校の校歌。

この時…歓声がぴたりと止んだ。

青い春の中を 歩き続けている
道は限りのない 遥かな旅だ
あぁ桜の舞う日も 寒い雪の朝も
誰も見たことない 夢を描きながら
君と歩いた日々 いつも語り合って
栄光の未来へ 手をかざすのさ

SaToMansionの原点である「ロック」なバージョンにアレンジされた校歌を、地元のファンは様々な想いを抱きながら聴き入っていた。

二戸市民:
未来の若者たちに向けた感じの歌詞で、すごくすてきだなと思った

葛巻町の高校生:
今までの校歌みたいな堅い感じじゃなく、新しい感じの校歌でかっこいい

二戸市民:
SaToMansionの佐藤和夫さんらしさも出ていたし、とてもすてきな校歌だった。高校生に戻って自分も歌いたい

SaToMansion 佐藤和夫さん:
校歌として作ったけれど自分にすごく当てはまる。誰かの曲を作ったわけではなく、自分を投影させた歌詞や思いなので。校歌の依頼を受けて初めて自分の心を見つめ直した。それで生まれた言葉がたくさんあるので、そういう意味で言うと、自分を表現させてくれた歌なんだなって。皆さんの歌であり僕の歌である。一生歌い続けられる楽曲だと思う

一生心に残る歌を。
この先、形は変わっても失われることのない想いとともに、歌は紡がれていく。

(岩手めんこいテレビ)

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