冬の寒い日、エアコンの「暖房」を使っているだろうか?
富士通ゼネラルの調査では、エアコン所有者のうち「暖房」として使用する人は半分以下ということが判明したのだ。
全国の20~60代の男女1万人を対象に、日常におけるエアコン利用の意識調査を実施。さらにその対象者の中から、「エアコン暖房」および「エアコンクリーニング」に関する利用実態を深堀するために、家庭にエアコンを1台以上所有する1000人を対象に追加調査を行った。
エアコンを所有する家庭は9割超
調査ではまず、エアコンを1台以上所有する家庭が9割(93.2%)を超えたことが分かった。
この記事の画像(7枚)しかし、家庭内で特に多くの時間を過ごすであろう「自宅のリビングで最も使用している暖房機器は何か?」を聞いたところ、エアコンと回答した人は全体の半分以下(44.5%)にとどまったのだ。
このリビングで使用する暖房機器について北海道・東北エリアの回答者に絞ると、「石油ストーブ/ファンヒーター」が4割(45.1%)、次いでエアコンが2割(22.9%)となった。
これについて富士通ゼネラルは「寒冷地ではまだまだ化石燃料による暖房機器が主流であることが伺える」としている。
また「暖房費(ランニングコスト)が高いと思う暖房機器」については、4割(44.9%)を超える人が「エアコン」と回答し、「石油ストーブ/石油ファンヒーター」(17.9%)の倍以上となった。
エアコンを「暖房」として使用する人が半分以下にとどまっているのは、ランニングコストが高いと思われていることが影響しているかもしれない。では、これをおさえるためにはどうすればいいのか?
富士通ゼネラルの担当者に聞いた。
節電につながる3つの方法
――「エアコンの暖房」を使用する際、そもそも設定温度を何度にすれば快適に過ごせる?
環境省が推奨する「室温20度」を目安に、無理のない程度に設定温度を調整することをおすすめします。
暖房の設定温度を控えめにする場合は、風量を上げたり、サーキュレーターを併用したりすると、効率よく室内を温められます。また、湿度を上げると体感温度があがるため、加湿器の併用もおすすめです。
――エアコン暖房の節電につながる使い方は?
主に3つあります。
(1)運転を停止するより温度設定で調整
エアコンは運転を開始する際に多くの電力を消費するため、頻繁につけたり消したりする方が電力を使います。室内がじゅうぶん暖まったと感じたら、設定温度を調整して暖まり過ぎを防ぎましょう。
暖房時は温度を1度低めに設定すると約10%も節電になります。
(2)風量設定は「自動運転」に
弱風や微風で運転すると、室内が快適な温度に達するまでに多くの時間がかかるうえ、かえって電力をムダに消費してしまいます。室温を設定温度にするのに最も効率的な運転をする「自動運転」を活用しましょう。
(3)風向きは「下向き」に
暖かい空気は天井近くにたまりがちです。風向を上手に調節して、足元からムラなく暖房しましょう。サーキュレーターなどを併用して、お部屋の空気を循環させると、さらに効果的です。
――「暖房時は温度を1℃低めに設定する」というのは、どういうこと?
設定温度が「20度」の場合、「19度」に設定すると節電につながるという意味です。ただし、エアコンを使用する環境によって、必ずしも節電につながるとは限りませんので、ご注意ください。
――エアコン暖房の節電につながる使い方、他にもある?
室外機の周辺は空気の通り道を確保してください。吸排気の妨げになるものがあると、暖房効率が低下し、電力をムダに消費してしまいます。これからの季節は積雪にもご注意ください。
また、さらに手軽に取り組めることとして、日中はカーテンを開けて日光を取り入れ、夜間はカーテンを閉めて室内を保温することもおすすめです。
エアコン所有者のうち4割しか使用していないという「暖房」機能。暖房費が気になるという人は、この冬は3つの節電方法「運転を停止するより温度設定で調整」「風量設定は自動運転に」「風向きは下向きに」も試してみてほしい。