阿蘇神社のシンボルで、国の重要文化財に指定されている楼門が復旧工事を終え、竣功祭が行われた。熊本地震で被災した阿蘇神社がようやく地震前の姿を取り戻した。
最大の大仕事 阿蘇神社・楼門が完成
2016年の熊本地震で甚大な被害を受けた阿蘇神社は、6棟ある国の重要文化財全てが被災し、神社の顔ともいえる楼門は全壊した。
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2019年に楼門を除く国の重要文化財は復旧し、2021年には拝殿が再建された。
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そして、地震から7年8カ月。一歩ずつ復興を遂げる中で、最後の大仕事だった楼門がこのほど完成し、12月7日にお披露目された。竣功祭には熊本県内の神社関係者など約260人が参列し、熊本の神社の中で最も位の高い「肥後一の宮」の復活を祝った。
約7割の材木を再利用
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復活した楼門は、よく見ると木材の色合いが違い、古いものと新しいものをつなぎ合わせてつくられているのがわかる。被災前の楼門は江戸時代末期に建てられたもので、国の重要文化財に指定されているためその価値を損なわないよう元の姿に戻すことが求められ、倒壊した部材を1つ1つ丁寧に解体。
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約7割の材木を再利用して建てたため、全壊という甚大な被害を受けたにもかかわらず、被災前の姿をそのまま取り戻したかのような風格があり、訪れた参拝者は「そのままの形で復興されているから本当に感慨深い。うれしい」と話した。
被災社殿の復旧工事はこれで一区切り
一方で、熊本地震と同程度の揺れにも耐えられるよう、最先端の技術を集めた耐震補強も施されている。
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清水建設・寺坂勝利工事長:
今後、何百年何千年とこの世に存在できるような、皆さまに愛されるような建物でいてくれれば…
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阿蘇神社・阿蘇惟邑宮司:
楼門を見ていると心が洗われるような気持ち。今後、支援いただいた皆さまとともに、しっかりと後世に守り伝えていきたい
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楼門を含む阿蘇神社全体の災害復旧費は、総額約25億円。このうち国の重要文化財には、国や県などの補助金が充てられた。
阿蘇神社によると、被災した社殿の復旧工事はこれで一区切り。もうすぐ地震から8度目のお正月を迎え、年末年始は多くの人でにぎわいそうだ。
(テレビ熊本)