12月に入り、そろそろ忘年会シーズン。
長かったコロナ禍では大人数の会食が自粛され、その影響で企業の“忘年会離れ”も出始めるようになったが、新型コロナが5類に移行後、初めての年末年始は忘年会に参加する人は多いのだろうか。

企業は半数が忘・新年会「実施」

3年に渡り続いたコロナ禍。
会食の人数制限が設けられるなど感染対策がとられる中、大人数が集まる年末恒例の「忘年会」は自粛ムードが続いた。企業は2023年の「忘年会」についてどう考えているのだろうか。

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東京商工リサーチ松山支店の瀧本和将支店長は「忘・新年会離れっていうのはある程度、顕著にはなってきた」と話す。

2022年と2023年を比較してみると、全国約4,750の企業を対象に行ったアンケート調査によると、今シーズン、忘年会・新年会を実施すると答えた企業は54.5%と、昨年より15ポイントあまり増えたものの過半数を少し超える結果にとどまった。

一方で、「実施しない」と答えた企業は45.5%、昨年の61.4%からは減少したものの、「しない」と答えたうち21.9%は「コロナ禍前は忘年会を実施していた」企業だ。

実施しない主な理由は「開催ニーズが高くないため」や「参加に抵抗感を示す従業員が増えたため」ということだ。

東京商工リサーチ松山支店 瀧本和将支店長:
コロナ禍において、ライフスタイルの変化なんかによって、大人数での会食自体が、飲食店を使って、外に食事をしにいく、お酒を飲みに行くような習慣自体が少なくなっている。忘・新年会、会食以外での親睦の深め方っていうのを、もしかしたら今後企業の経営者の方は考えていかなければならないフェーズになってるのかなと。

街の人に聞いた「忘年会への参加意欲は?」

実際に愛媛のみなさんは忘年会について、どう思っているのか。忘年会に「参加する」「参加しない」のアンケートを取ってみた。

参加すると答えた人は「緩くなったんで、コロナのほうも。久しぶりに。なかなか若い子たちと、一緒になる機会が少ないんで、できれば若い子たちと出てきてほしい」、「だいぶ我慢してたんで、みんなでワイワイするのがいいかなと」、「楽しみです。いろんな仕事以外の話とかもできるし」、「今日もあります。やっぱり一次会で終わるっていうのが多いです」などの理由が聞かれた。

一方で、参加しないと答えた人は「やっぱ大人数がまだ(不安)。今流行ってるので、感染系のものが」「子どもいるし」「子どもが受験生なんで」「参加しない。仲の良い友人と行くなら、全然いいんですけど、日本の忘年会は儀礼的なものもありつつ、かなりそれが面倒くさい」など、「コロナで自粛ムードの習慣がついた」「そもそも忘年会自体がない」などが挙げられた。

10代~70代の男女あわせて50人に聞いた結果は、「参加する」が33、「参加しない」が17と約7割が「参加する」を選んだ。

老舗もつ鍋店で忘年会の予約状況

愛媛・松山市一番町の老舗もつ鍋店で忘年会の予約状況を聞いた。

元祖もつ鍋博多屋本店 篠原斗志也店長:
週末は(1日の予約が)100人を超えている状態。ここ何年も厳しい状況が続いてたので、人数の多い団体さんで賑やかにしていただいてうれしい。

店では、10月中旬から会社ぐるみや友人同士など団体客を中心に予約が増えはじめ、年末にかけ週末の金曜土曜は予約客でほぼ満席に。コロナ前と同じく最大で約60人の団体予約も入っているということだ。

愛媛県独自の警戒ルールが出されていた昨年に比べ、売り上げは約1.7倍増加すると見込んでいる。

一方、コロナ禍の「名残」もあるようで、「平日はコロナ前に比べたら、多少少ない状況にはなってます。週末に比べると半分以下の予約状況になってるので、週末に忘年会が集中して、少人数の忘年会を何回もやるっていうのは少ないのかなっていう状況ですね。仕入れの業者さんとかにお話を聞くんですけど、平日はどうしても街中自体は少ない印象ではあるみたいですね」などと、宴会や会食の「自粛ムード」から完全には抜け出せない現状のようだ。

さらに、メイン食材のもつの高騰で、店は忘年会コースの料金を昨年より500円アップし、対応している。

元祖もつ鍋博多屋本店 篠原斗志也店長:
にぎやかで、何もお客様が(コロナ感染などに)心配することなく、飲み会をできるというのが一番いいと思いますので、それを願っています。

(テレビ愛媛)

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