ホストクラブの「売掛金」、いわゆる“ツケ払い”を支払わせるため、女性客に売春をさせる“悪質ホストクラブ問題”を受けて、新宿区長と歌舞伎町でホストクラブを運営する13のグループ代表らの話し合いが、12月5日に行われました。
歌舞伎町ホストクラブ「Groupdandy」巻田隆之代表:
歌舞伎町のホストクラブにおきまして、最近の報道に取り上げられました不適切な出来事に関しまして、深くおわび申し上げるとともに、真摯な反省の意を表明いたします。
ホストクラブ側は、段階的に売掛金の割合を減らし、「来年4月から廃止にする」方針を明らかにしました。さらに…
歌舞伎町ホストクラブ「Groupdandy」巻田隆之代表:
すでに発生してしまっている高額な売り掛け被害に関しましては、行政機関などと連携し、真摯に対応してまいります。売り掛けについては店舗で管理し、ホストとお客さまとの個人間の貸し借りを無くしていきたいと思います。
すでに発生している「高額な売掛金」については、行政機関と連携して真摯に対応するとしています。
また、売掛金を背負わされる客の中には、精神的に未熟な10代の女性が多いことについても、「20歳未満の入店お断り」「20歳以上でも学生などには高額な請求にならないようにする」と宣言しました。
こうした方針に賛同したのは、歌舞伎町に300店舗あるとされるホストクラブのうち、13グループ200以上の店舗。
協議会に参加したホストクラブの代表者の1人である、歌舞伎町ホストクラブの「NEW GENERATION GROUP」桑田龍征代表は、今回の方針についてこう話します。
「NEW GENERATION GROUP」桑田龍征代表:
売り掛けを禁止にするだけでは、解決しないとは思っています。
売り掛けを禁止にしたとて、消費者金融だったり、個人間の貸し借りを僕たちも管理しきれない部分があって、で、じゃあどうあるべきかっていうのは、やっぱ改めてサービスに立ち返って、もっともっと業界のおのおののメンバーが、価値を持たせられる接客だったり、サービスだったりをできているかというところに立ち返ってですね。
改めて適正な価格で、お客さまも無理ない範囲で商売を続けていきたいなと思っています。
ホスト依存の娘を抱える親たちはどう見たのか
「悪質ホストクラブ問題」に関わる娘がいる親たちは、今回の方針をどのように受け止めたのでしょうか？「めざまし8」が取材すると、期待する一方で不安の声も聞かれました。
19歳の娘がホストにはまり、子供を妊娠、中絶。高額の売り掛け伝票も所持していたという母親は、涙ながらにこう話します。
ホストの子供を妊娠・中絶した娘の母親
うちみたいに（ホストから）結婚するとか、将来一緒にカフェをやろうとか、そういうところでもずっとつないでしまわれてしまうと、売掛金がなくなろうが、少なくなろうが、デート商法みたいなやり方をやめていただけない限りは、なかなか難しいのかなというふうに思います。
――20歳以下の入店を断るという話しも出ましたが
もう、うちも（ホストと）完全に外で会っておりますので。何かしらの手段を変えて、そういうところでまた、お金を取られてしまうのかなっていう危惧はあります。
――娘さんは今どんな状況にあるのですか？
売春の斡旋というところまでは、直には言われていなくて、遠回しに、「他の子はみんな売春を頑張っているよ？」という感じの、「もっと頑張りなさい」っていうことを（ホストから）言われたりとかするので。
別の母親は、ホストにはまった娘以外にも、家族が深刻な被害を受けたと訴えます。
20歳の娘がホストにハマったという母親:
夫の方が少し娘の生活に病んでしまって。（入院して）診断がうつ病ということでした。
20歳の娘がホストにハマり、風俗店勤めに。その後、風俗店は辞めたものの、依然としてホストクラブ通いは続いているといいます。こうした状況に思いつめた父親が、うつ病で入院してしまいました。
20歳の娘がホストにハマったという母親:
売り掛け問題が解決したとしても、やはりホストに依存してしまう人たちというのは、それ（売掛金問題）だけにとどまらないので。
別の親たちも、“不安な思い”をめざまし8に明かしました。
ホストにハマり風俗で働いている娘の母親:
来年4月までに売掛金の廃止が決まって、確実に実行されるというのであれば、大きな第一歩で画期的なことだと思います。一方、法律ではないので、実際に守られなかった時の場合の、罰則なども合わせて作ってほしいとは思っています。
数百万円の売掛金がある娘の母親:
（来年4月の売り掛け廃止は）全く遅いですね。悪いっていうふうに認識しているなら、もう今、すぐやってほしいです。
(めざまし8 12月6日放送)
