コロナの前と後、生活に関する実態を調査

新型コロナウイルスの感染予防として、不要不急の外出を自粛する生活となり、仕事においてもテレワークで行うことが増えた。

特に緊急事態宣言が発令中の4、5月はこの意識が強かったのではないだろうか?

このような中で大和ハウス工業株式会社は7月8日、「コロナの前と後、生活に関する実態調査」の結果を発表した。

20代~40代の配偶者がいる全国の男女1200人(共働き家庭と片働き家庭各600人ずつ、テレワークあり・なしで各600人ずつ)を対象に、インターネットで6月5日から6月10日に調査。

緊急事態宣言前と後の生活変化や、料理・洗濯など名前のある家事の回りにある、いわゆる“名もなき家事”の実態、夫婦間の家事分担の変化などを聞くとともに、新しい生活様式における取り組みについても聞いた。

その結果として分かったのが、コロナ禍でのストレスに加え、新たな”名もなき家事”が生まれていたというのだ。

コロナ禍で約9割に新しい習慣

まず、コロナ禍による生活変化でストレスを感じているか聞くと、全体では「外出自粛によるストレス」(61.8%)が1位で、「新型コロナウイルス対策へのストレス」(56.7%)、「収入・家計に関するストレス」(49.8%)、「家事・子育てに関するストレス」(41.2%)と続いた。

なお「家事・子育てに関するストレス」を男女別で見ると、男性が31.7%で女性が50.7%と回答に大きな開きがあった。

提供:大和ハウス工業株式会社

そして、コロナ禍により新しい生活様式が求められる中、「新たに習慣になったこと」を聞くと、「外から帰ったら必ず手を洗う・うがいをする」(72.9%)が最も多かった。

続いて、「日中はできるだけ窓を開けて換気をする」(39.4%)、「玄関にマスクや消毒用スプレー・除菌ティッシュを置く」(31.4%)の順となり、全体の90.6%が新しい習慣を身に付けていたのだ。

提供:大和ハウス工業株式会社

新しく加わったこれらの習慣について今後も継続したいか聞くと、87.0%が「継続したい」と答えた。

感染予防対策に関する行動は、新型コロナウイルスだけではなく、風邪の予防にもなるため、継続することはたしかに重要となりそうだ。

提供:大和ハウス工業株式会社

コロナ禍で新たな“名もなき家事”が誕生

コロナ禍では休校やテレワークなどで、これまでにはなかった昼食の用意など、家事が増えたはずだが、調査では、家庭での夫婦の家事分担の割合についても聞いており、新型コロナによる緊急事態宣言前は、「妻が8割以上」と考える男性が52.7%、女性は73.0%と高く、夫婦間で20ポイントもの意識差があった。

宣言後は「妻が8割以上」と答えた男性は39.5%と宣言前より13ポイント低くなった。女性も65.3%と宣言前より8ポイント下がり、家事軽減を実感はしていたようだ。ただし、男性が思うほどではなく、その差は25ポイントと以前より夫婦間のギャップは大きくなっていたのだ。

提供:大和ハウス工業株式会社

さらに今回の調査で、家族全員が常に家庭にいることで新たな「名もなき家事」が誕生していたことがわかった。

緊急事態宣言後の「名もなき家事」の変化を尋ねたところ、全体の63.9%が「増えた」と回答。男女別でも、男性が55.8%、女性は72.0%と、特に女性がその増加を実感していた。

提供:大和ハウス工業株式会社

具体的に増えた、新たな“名もなき家事”は「外から帰ったら必ず手洗い・うがいを家族に呼びかける」(36.0%)が1位で、「マスクや消毒液の残量の確認・購入」(33.8%)、「ティッシュやトイレットペーパーの残量確認・購入」(33.4%)が続いた。

新型コロナウイルスへの感染対策は家庭でも重要であることから、これに関連する行動の呼び掛けや物品購入が“名もなき家事”に追加されたということのようだ。

提供:大和ハウス工業株式会社

また女性の1位である「家族の3食分の献立を考える」(53.0%)については、男性は6.5%が回答。

「間食用のお菓子や飲料の購入」は、女性が44.7%に対して男性は17.7%と、やはり在宅が増えたことで食事に関する負担が女性に大きくなっていることが分かる。

提供:大和ハウス工業株式会社

また、各家庭での新たな“名もなき家事”の事例として、「夫がオンライン飲み会をするので、おつまみの準備」「テレワークで業者やお客様に電話をかけたり、かかってくる夫に合わせ、テレビの音をこまめに小さくしたりしていた」などと、夫が在宅で仕事や飲み会をすることによって女性が感じる“名もなき家事”が増えていた。

提供:大和ハウス工業株式会社

コロナ禍で全体的に家事や新たな“名もなき家事”が増えたことは分かるが、なぜ“名もなき家事”は、変わらず女性側に負担が大きいのだろうか。

今後は家事分担についてどう意識していくべきなのか、大和ハウス工業株式会社の担当者に話を聞いた。

“名もなき家事”の増加がストレスに

ーー調査したきっかけを教えて

家事に対する調査は定期的に実施してきておりますが、今回はコロナ禍でこれまでの生活が一変しました。

そこで、生活・家事に対する意識を取ることで、コロナ禍での生活者の声を出していきたいと考え、調査をいたしました。
大和ハウス工業では、調査を踏まえた、新しい住宅の開発(快適ワークプレイス、つながりワークピット、家事シェアハウス)も行っております。


ーー生活様式の変化で感じるストレスの要因はなに?

「名もなき家事」が6割以上も増えたという結果になっており、そうした名もなき家事の増加も1つの要因だと思います。


ーー男性と女性で、家事への意識に相違があったようだが?

男性が主に実践していると回答している名もなき家事は、「使った道具を元に片付ける」「ティッシュを取り換える」「ゴミを捨てる、分別する」などが多いですね。

男性は、このコロナ禍で自身が家事を分担している割合が増えたという回答が多くなりました。ただ、家事軽減にはつながっているものの、男性が思っているほどではなく、女性の意識としては、「妻が8割以上」という回答が7割以上でした。

男性は“名もなき家事”に気が付かない

ーー女性の負担が大きいのはなぜ?

男性は、名前のある家事の回りにある「名もなき家事」に気が付かないという点が多いと思います。

例えば、ゴミ出しですと、玄関に置いてあるゴミを出す以外に、家中のゴミを集める、ゴミ箱に新しいゴミ袋をセットする。その他ゴミの収集日を知っておく、ゴミ袋の在庫を管理する、ゴミ箱が汚れたら拭く等、ゴミ捨てに付随する誰にも気づかれない名もなき家事が存在し、気が付く人(女性・妻)に負担が掛かってしまうのではないでしょうか。

また、みんなで家事を担うようになり、「手伝う」から「当事者」へ認識が徐々に変わっていくとよいですね。


ーー男性は“名もなき家事”に気がつかないということ?

気が付かないので、結果的に実践できていないというケースが多いと思います。

名もなき家事は日常おこりうる細かな作業のため、名もなき家事に気が付く人(女性・妻)も、おこなっている作業を名もなき家事と認識しておらず、知らず知らずのうちに積み重なって、負担が降りかかっていたと思われます。
 

ーーでは、子どもや男性が手伝った家事で多かった回答を教えて

子どもについては、「手洗い、マスクの着用を自発的にする」「食事後に、食器をシンクに戻す」「自身が使ったおもちゃなどをもとに戻す」という回答が多く、共働き家庭では習慣化している割合も多かったです。


ーー印象に残った回答はある?

家庭での新たな名もなき家事の事例で、男性の回答「通販で物を買うことが増えたので段ボールをまとめて捨てる」は、まさにコロナ禍による生活の変化で生まれた名もなき家事と共感しました。

女性の回答「夫がオンライン飲み会をするので、おつまみの準備」は、そこまでしてあげるの?!と個人的な感想です。
 

第1歩は「自分のことは自分で行う」

どうやら男性が“名もなき家事”の存在に気がつかないということが、女性負担の増加につながったようだ。

しかし、これが夫婦喧嘩の発端になることもあるだろう。どうすればストレスを感じず、互いの負担を減らすことができるのだろうか。

ーー今後、夫婦の家事分担はどう変化するべき?

家事を「分担」しているご家庭は多いと思いますが、「使い切ったティッシュを取り換える」「郵便物を振り分け不要なDMを捨てる」など、分担では細かな膨大な名もなき家事が漏れてしまいます。

そこで、大和ハウスでは、「分担」ではなく名もなき家事も含めて家事を丸ごと家族で「シェア」することが必要と考えています。

在宅時間が長くなり女性(妻)がおこなう家事の様子を見て家事のプロセスがわかってくると、例えば妻が洗濯物を取り込んだ後、夫は洗濯物を畳み、その間に妻が夕食の下ごしらえを始める等、家事の連係プレイをおこなう等、自然と家事シェアができるようになっていくと思います。

また、名もなき家事を知り、自分の事は自分で実行する意識を持った上で、家事を共有すること、それが「家事シェア」と考えています。

家事の主体者が女性のままであること、女性の時短をサポートすることが家事シェアではなく、名もなき家事が家族各々に共有されている状況に変化していくことが望ましいです。


ーー夫婦で意識するべきことはなに?

家事のほとんどがマイナスを0に戻す作業です。だから成果が見えず心理的負担を感じてしまいます。

そこで、名もなき家事を抑制するためにも家事シェアの第1歩「まずは自分のことは自分で行う」を夫婦間そして家族皆が意識することが大切です。

すると、相手の行為に気が付くようになり、自然と感謝の気持ちが生まれ言葉にして伝える。会話やコミュニケーションが多い家庭では家事の不満も伝えやすくなり改善が図れます。


ーー女性の負担を減らすにはどうするべき?

家事に対して、「自分達のことは自分で行う」という基本姿勢とともに、一緒に家事をするという意識、家事シェアに対する共有をし、不満があれば、コミュニケーションで解決していくということが大切だと思います。

また、男性だけでなく、子どもとも共有し、自発的に行える仕組みや教育も大切だと考えています

ーー女性は考え方をどう変えたら良い?

男性も家族の一員として、家事シェアを一緒に行ってくれる存在であるので、自発的に行える仕組み作りを家族で行い、コミュニケーションを増やしていただきたいと思います。

今回、調査にコメントを寄せて頂いた行動習慣コンサルタントの冨山真由さんは、「具体的な行動を示すこと」「認められること」「ありがとう」のひと言を伝えることが大切とお話をされていました。

 

新型コロナウイルスの影響で、働き方や生活様式が大きく変わったが、コロナ前に全てが戻ることはないのではないだろうか。

今回の調査では、コロナ禍で在宅時間が増えたことから、男性も以前より家事を行っている意識があるものの、やはり“名もなき家事”には気づかないことがわかった。
担当者が話すように「『自分のことは自分で行う』を夫婦間そして家族皆が意識する」「自発的に行える仕組み作りを家族で行い、コミュニケーションを増やす」ことを、まずは心がけてみてはいかがだろうか。
 

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