山形県内では主力品種「ふじ」が収穫期を迎えているが、天童市で収穫されていたのは、ブランド化を図っている珍しい「黄色の蜜入りリンゴ」だ。
上品な甘さとシャキッとした食感が特徴
11月22日、天童市成生地区で収穫されていたのは、袋をかけたままのリンゴ。袋を外すと、出てきたのは「黄色いリンゴ」。

これは上品な甘さとシャキッとした食感が特徴の蜜入りリンゴ・晩生種の「はるか」で、20年ほど前に岩手県で開発された。

成生地区では生産者グループ・成生イノベーションを作って全国で3番目に栽培を始め、14人が一つひとつ日光を遮る袋に入れて大切に育てている。
成生イノベーション・武田繁さん:
春先の霜で少し濡れたりしてサビが出やすくなる。黄色なのでどうしてもサビが赤いリンゴより目立つ。きれいにして出したいので袋をかけるようになった

袋から出してリンゴの出来を確認した武田さんは「すごくきれいでいい出来かな」と話す。
成生イノベーション・武田繁さん:
今年はいつもより干ばつもあって小ぶりかと思う。またずっと暑かったので蜜の入りがどうかなと

成生イノベーションでは、糖度や蜜の入り具合・大きさなど一定の基準で選び抜いたものを独自ブランド「プリンセスはるか」として4年前から売り出している。22日に収穫したものは11月26日に選果作業を行うそうだ。

外側の黄色が美しく、中には蜜がたっぷり。そして華やかな香りがする「プリンセスはるか」。いい仕上がりのものを特別に試食させてもらうと、シャキシャキで甘みがとても強く、かめばかむほど華やかな香りがふわっと広がった。

「はるか」の2022年の出荷量は15トンで、そのうちの約3割が「プリンセスはるか」として出荷された。
希少な品種だが、武田さんは少しずつ生産量を増やし、知名度をアップしていきたいと話す。

成生イノベーション・武田繁さん:
リンゴと言われると赤のイメージだが、「黄色もすごくおいしいよ」ということで、「黄色いリンゴと言えば“プリンセスはるか”だよ」というぐらいになればいいなと思う
収穫された「はるか」と「プリンセスはるか」は、JAてんどうフーズのホームページ「天の童」で販売している。
(さくらんぼテレビ)