17日、自民党は安定的な皇位継承策などを検討するため、麻生副総裁をトップとする新たな組織の初会合を開いた。政府の有識者会議は、皇族数の確保の案として2つを示した。

「皇位継承」懇談会が初会合

自民党は17日、安定的な皇位継承策などを検討するため、麻生副総裁をトップとする新たな組織の初会合を開いた。

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自民党・麻生副総裁は「皇室の在り方は、わが国の根幹をなす極めて重要な課題です。具体的な方策については、皇室典範等の法改正の必要性も考えねばならない」と述べた。

自民党内には、すでに皇位継承策に関する別の会議体があったが、2022年1月に初会合が開かれて以来、議論が停滞していた。

そうした状況の中、今回の懇談会は岸田首相が「喫緊の重要な課題だ」と述べたことを受け、「総裁の直轄の組織」として設置された。

今後、政府の有識者会議の報告書をもとに、議論を進める方針だ。

ここからは、政治部の高田圭太デスクがお伝えする。

Q.政府の有識者会議の報告書をもとにということだが、どんな議論になるのだろうか?

皇室の現状だが、今は男性の皇族が3人に減る中で、愛子さまや佳子さまもご結婚が考えられるご年齢になり、皇族の数の確保策が本当に待ったなしの状態となっている。
そこで、政府の有識者会議は、女性天皇などの是非など皇位継承の議論はいったん置いておいて、皇族数の確保の案として2つを示した。

その1つが、女性皇族が結婚後も皇室の身分のままでいられるようにするというものだ。例えば愛子さまや佳子さまが、ご結婚後も皇族として活動できるようにするという案だ。

Q.結婚した小室眞子さんや黒田清子さんも対象になるのだろうか?

現時点での議論では、既に皇室を離れた方は対象にならない見通しだ。

そして、もう1つの案が、今の制度では皇位継承の資格がある男性皇族が減っている状況を踏まえ、戦前に皇族だった旧皇族の男系男子を今の皇族と養子縁組して皇室に復帰させるという案だ。

キーマンは麻生太郎氏

旧皇族といっても、今の国民になじみがないだけに、色々な課題がありそうだ。

今、民間人として暮らしている人が、いきなり皇族に養子に入って、国民の理解が得られるのか。そもそも、なり手がいるのかという問題がある。
また、養子に皇位継承の資格を与えるのかも論点になっている。

そして、もう1つの女性皇族が結婚後も皇族のままでいる案も、夫や子どもを皇族とするのかどうかが難しい課題となる。

そこでポイントとなるのが今回のキーマン、懇談会の会長となった麻生太郎氏だ。

麻生氏は、男系の伝統を大事にする保守派からの信頼が厚いと同時に、妹が皇室に嫁がれた信子さまという特別な存在だ。

皇室の伝統を大事にしつつ、今後も皇室が、国民の理解のもとで長く続くようにするにはどうすればいいか、時間がない中で、難問に答える必要に迫られている。
(「イット!」 11月17日放送より)

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