新潟県産の農林水産物で輸出額が最も多いニシキゴイ。しかし、11月から中国への輸出がストップしている。新潟県内の養鯉業者からは、輸出の早期再開を求める声が上がっている。
ニシキゴイ 中国へ輸出できず…
小千谷市の伊佐養鯉場。大きなニシキゴイが悠々と泳ぐ中で腕組みをしているのは、伊佐光徳社長だ。
この記事の画像(5枚)「完全に中国への輸出の道が途絶えたわけだから、経営自体も大変になってくるのではないか」伊佐社長が頭を悩ませるのは、ニシキゴイの中国への輸出が11月から停止している問題。
国内の養鯉業者が中国に輸出する際、長岡市の施設で検疫を行う必要があるが、県内にある施設に対する許可を中国側が更新せず…宮下一郎農水相は11月10日の会見で「中国当局に更新手続きが完了したという報告を受けておりません。輸出が停止していると認識しております」との見解を示した。
「輸出停止はこたえる」 早期再開願う声
県内のニシキゴイの輸出額は昨年度、過去最高の32億4000万円。このうち、中国向けは国別で最も多い約2割とみられている。
伊佐養鯉場は2年前まで自社でも検疫の許可を取得していたが、中国側から説明がないまま失効。それまで売り上げの30%を占めていた中国への輸出は10%~15%に激減し、今度はゼロになる見込みだ。
伊佐社長は「中国への輸出がストップしたのは、とにかくこたえる。困る。できれば、今すぐにでも再開していただきたい」と早期の再開を願った。
花角知事は輸出再開に向けて政府に働きかけていく考えを示しているが、事態の打開は見通せていない。
(NST新潟総合テレビ)