熊本・天草市立本渡北小学校が創立150周年を迎え記念式典があった。50年前に埋められたタイムカプセルも開けられ、当時の思い出の数々がよみがえった。本渡北小学校を卒業したテレビ熊本の天草担当カメラマン・原田光應さんがお伝えする。

50年前に校庭に埋めたタイムカプセル

1873年に開校し、創立150周年を迎えた天草市立本渡北小学校は、これまでに1万4,000人の子どもたちを送り出し、今も755人が通っている。

11月2日、150周年記念式典を前に、学校では準備が行われていた。

50年ぶりに掘り出されたタイムカプセル
50年ぶりに掘り出されたタイムカプセル
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教室に並ぶ年季の入った教科書や雑誌。これは50年前に当時の先生や児童が校庭の隅に埋めたタイムカプセルから出てきたものだ。中には、当時の写真と寄せ書きにラジオ、それに“小石”も入っていた。

卒業生・下田昇一郎さん
卒業生・下田昇一郎さん

卒業生・下田昇一郎さん:
50年前、タイムカプセルにみんなが入れた石です。自分の名前とかいろいろ書いてますけど、僕は裏に「健康」と書いている。よっぽど健康を願ったんだと思う。おかげで今も健康です

修学旅行で行った熊本城の前で撮った集合写真には、当時6年生だった原田カメラマンが。後ろからひょっこり顔を出しているかわいい姿が残されていた。

全員で校歌を熱唱

式典当日、出席したのは、50年前に在籍していた1年生から6年生までの20人や、在校生などあわせて約200人。

本渡北小学校・中島常長PTA会長
本渡北小学校・中島常長PTA会長

本渡北小学校・中島常長PTA会長:
偶然にも、この50年前の本渡北小学校と、50年後の本渡北小学校をつなぐ式典に参加できたことに大変感謝しています

本渡北小学校・佐藤洋一校長
本渡北小学校・佐藤洋一校長

本渡北小学校・佐藤洋一校長:
今後も子どもを中心に、学校・家庭・地域・行政の連携のもと、新しい社会のつくり手を育んでまいります

最後は、吹奏楽団の演奏に合わせて全員で校歌を熱唱し幕を閉じた。

50年がアッという間 昔話に花咲く

その後、参加者は教室に移動し、懐かしそうに眺めたり、写真を撮ったり、昔話に花が咲いた。

卒業生・大曲昭仁さん
卒業生・大曲昭仁さん

卒業生・大曲昭仁さん:
昔の思い出が、きのうみたいに思い出されるのが、この本渡北小学校かなと思っています

卒業生・楠本孝子さん
卒業生・楠本孝子さん

卒業生・楠本孝子さん:
50年がアッという間でフラッシュバックした。タイムスリップがスピーディー。こういう思い出があるというのは大変うれしいものですね

自分の名前と当時の思いを記したタイムカプセルの“小石”は、一つ見つかるたびにさまざまな思い出がよみがえったようだ。

卒業生・奈良崎けい子さん
卒業生・奈良崎けい子さん

卒業生・奈良崎けい子さん:
わたしが(小石に書いたのは)スマイルです。姉は「努力に勝る天才なし」と書いてます。ちょっと気取ってます。もう10年前に亡くなっちゃいましたけど…。お墓に持っていきます

友人や家族の死 過去を胸に前へ

式典は楽しいことばかりではなかった。

亡くなった酒井武士さん
亡くなった酒井武士さん

体育館の壁に飾ってある歴代校長の写真に、最後に飾ってあるのは、原田カメラマンと同級生の酒井武士さんだ。本渡北小の校長を最後に定年退職の予定だったが、退職直前に亡くなった。

寄せ書きに「友情」と書いた原田カメラマン 「今でも友情は大切にしている」と話す
寄せ書きに「友情」と書いた原田カメラマン 「今でも友情は大切にしている」と話す

原田カメラマンは「式典をきっかけに他にも何人も同級生が亡くなっていることがわかった」と話し、「過去を振り返りながらも前へ向かって進まなければならない」と思いを新たにしたという。

タイムカプセルに入っていた思い出の品は現在、本渡北小学校に2024年2月16日まで展示されていて、平日は自由に見ることができる。

(テレビ熊本)

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テレビ熊本
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