5kgあたり2000円程度での販売を目指し、大手小売業者を対象に5月、申し込みが行われ、随意契約された備蓄米の販売が県内のスーパーマーケットでも始まった。スーパーには朝から備蓄米を買い求める人の姿が見られ、中には明け方から並んでいた人もいたという。
“随意契約の備蓄米”発売!スーパーには長い列
6月、新潟市東区のスーパー、原信セントラルマーケット河渡店に並んでいたのは、随意契約された備蓄米だ。

原信などのスーパーを展開するアクシアルリテイリング(長岡市)は、2022年産の備蓄米1110tを随意契約した。
9日に引き渡しを受け精米された備蓄米は、早くも翌日に県内の2店舗を含む4店舗で先行販売された。
アクシアルリテイリングの霜鳥守雅CSR・広報部長は「お客様が非常に心待ちにしているというところは実感していたし、注目度が高いということを感じていて、そんな中でなんとか早くお届けしたいという気持ちでいた。そういう意味でも無事にお届けできてよかった」と振り返る。
4店舗にはそれぞれ1袋5kgの備蓄米240袋が用意された。
セントラルマーケット河渡店では、購入希望者に渡される整理券の配布が午前8時に始まったが、すぐに予定していた数に達したといいう。

「小泉大臣もおいしいと言っていたので食べてみたいなと思った」と並んだ理由を話す客のほか、「家にあるコメがなくなっちゃったので、間に合ったらいいなと思って来た。午前8時に来たが、ギリギリ間に合った」と胸をなで下ろす客もいた。
その一方で、整理券の配布に間に合わなかった客の姿も見られた。
「販売が午前9時からだというから、30分前であれば間に合うかなと思って急いで来たが、『もうここで終わり』と言われたから帰る。残念」
価格は5kg2160円「気を使わずに食べられる」
午前9時になると、店内では備蓄米の販売がスタート。客は整理券と引き換えで備蓄米の袋を受け取っていた。
販売は、1家族につき1袋限定で、その価格は5kgで2160円だ。

備蓄米を手にした客は、「普段のコメが高いからうれしい。最近は食べるのをセーブしていたから、少し気を使わずに食べられるかな」と笑みを浮かべていた。
また、列の先頭で整理券を受け取った客は、明け方の午前4時前から並んでいたという。「長い時間並んだので買えてうれしい。買いやすい値段だと思う」と安堵の表情だ。
また、店側も2022年産のいわゆる“古古米”のおいしい食べ方をまとめたチラシを用意し、それを参考に食べてみるという客もいた。

アクシアルリテイリングは、6月中旬をめどに、原信・ナルス・フレッセイの各店舗で備蓄米の販売を順次始める予定だ。
20年・21年産の備蓄米 追加で放出へ
また、小泉農水相は10日、2021年産と2020年産の備蓄米合わせて20万tを追加で放出すると表明。

大手小売業者のほか、中小のスーパーなどを対象に、先行して2021年産の10万tが売り渡され、その後、初の放出となる2020年産の10万tが売り渡されるという。
小泉農水相は「全く手を緩めるという気はない。できることはなんでもやるということを、改めてマーケットの皆さんにお届けしたい。具体的な施策を次々と投入したい」と閣議後の会見で語った。
店頭販売価格は、それぞれ5kgあたり、2021年産は1800円程度、2020年産は1700円程度になるとしている。
さらなる備蓄米の放出でほかの銘柄米などの価格抑制につながるか、今後の動向が注目される。
(NST新潟総合テレビ)