今、電話の着信音が鳴ると「ドキッ」とする、そんな“電話恐怖症”の若者が増えているといいます。
この記事の画像(13枚)株式会社ソフツーが10月24日に発表した、「電話業務に関する実態調査」で、20代から30代の約7割が「職場での電話対応に苦手意識」があると回答したのです。
Z世代の就職・転職支援を手がける、株式会社デザイナーの代表・泉澤 恵一朗氏によると、若者の中でも特に「Z世代」は電話が苦手だと話します。
――若者は電話が苦手なのでしょうか?
泉澤 恵一朗氏:
それこそ僕自身も電話が苦手なので。基本LINEで終わらせることもありますし、FacebookやMessengerとか、仕事もそれでやったりするので。何か電話することがあれば、Skypeなどオンラインでつなぐか、電話って顔が見えなかったりするので、対面にしてしまった方がいいよねということもあります。
電話帳にすら登録せず
実際に、街で若者に、電話帳に登録されている件数を聞いてみると、一桁と答える人がほとんど。中には、「友人の電話番号も分からない」と答える人もいました。
仕事上、電話をすることが多い「めざまし8」番組スタッフに、電話帳に登録されている件数をアンケートしたところ、登録件数が最も多い40代は平均1030件に対して、20代のスタッフは平均171件。スタジオ担当の20代スタッフも「35件」と、世代によって大きな差が出ました。
さらに、現在24歳の小室瑛莉子アナウンサーは、驚きの「22件」。
小室アナウンサー:
社用携帯とか、友達とかはSNSがありますし、なので携帯の番号となるとこのくらい。しかもその中で、また「人」となると、15人とかしか…。企業とか店舗の番号を除くと、15とか。
“電話恐怖症”の理由
若い世代が電話を嫌がる理由として、以下のようなものが挙げられます。
・電話で自分の作業が中断するのがストレス
・やりとりが文字に残らない非効率性
・質問に回答を求められても、熟考する余裕がない
・電話対応の経験が少ないことによる恐怖心
数年前にトラブルから電話帳を削除し、その後の電話帳登録件数は「10件以下」だという鈴木円香氏は、“電話を使わない生活”を長く続けたことで、変化があったといいます。
鈴木円香氏:
私も何年か電話しなくなっていると、どうしても久しぶりに電話をしたときに、相手の声色を結構気にしちゃって。眠そうだなとか機嫌悪そうだなとか。それで変にこっちもストレスがかかっちゃうし。本当にそういう習慣はなくなっちゃいましたよね。
立岩陽一郎氏:
みんな、味気ないじゃない社会が。そんなに自分の仕事を邪魔されたくないですか?
大空幸星氏:
されたくないです。仕事もそうだし、プライベートの時間も。テキストのコミュニケーションだと、それをしながら例えば動画をみたり、調べ物をしたり。電話だと全部止まっちゃうじゃないですか、全部が。
立岩陽一郎氏:
会話を楽しむこともあるじゃない。記録として残したい?な~にをいってるんですか。そんなに真面目に。残されたら嫌じゃないですか逆に。
鈴木円香氏:
でも、若い人でも、仕事の電話は嫌だけど、プライベートはLINE通話などを使って、恋人や友達同士でディープにしゃべっている人もいますよね?
小室アナウンサー:
(電話だと)オチを考えなきゃいけないのも嫌ですし、この終わりがどこにあるのか見えないのが…、次アレしたいなとか自分の予定とかを考えちゃうし、相手も今の時間が無駄になっていないかとか考えちゃいます。
電話業務を強要「TELハラ」
「若者の電話離れ」が進む中、職場での電話業務への強要などを行うハラスメント、通称「TELハラ」も問題になっています。
・1日1回、必ず上司に電話で報告する
・休日でも電話に出るように強要
・お客さんへの連絡は電話のみ
・「お前じゃダメだ、部長を出せ」といった電話口の人をいじめるような対応
などが挙げられます。
――電話をなくすのではなく、使い方を変えていくべきなのでしょうか?
泉澤 恵一朗氏:
やはり、緊急性や速いレスポンスというメリットはあるので、それこそうちの会社も基本は電話禁止にしているので、逆にかかってきたときは、前提でドキッとする。だからすぐ対応しなくてはいけないんだというところの、即時対応につながるというメリットはあるのかなと。
(めざまし8 10月31日放送)