まるで置物のようになってしまったペンギンの可愛らしい姿が、SNSで話題となっている。
「出られなくて、この顔です」とのコメントと共に、「長崎ペンギン水族館」の公式X(旧Twitter)アカウント(@NagasakiPengin)が投稿したのは、展示場内で撮影したという5羽のペンギンの様子。
「ジェンツーペンギン」が1羽と「キングペンギン」が4羽、展示場の端に集まっている。

ジェンツーペンギンは隅っこで、羽をおなかにくっつけて、気をつけの姿勢で首をすくめ縮こまっている。正面を向く顔はスンとしたなんとも言えない表情で、どこか置物感がある。

ジェンツーペンギンが置物のようになったのは、周囲をこの水族館で1番大きいペンギンだというキングペンギンに囲まれてしまったからのよう。画像からもその体格差は一目瞭然だ。
「なぜボクはここにいるんだろう…」と、隅っこから脱出したい思いが伝わってくるようだ。
この様子を見た人からは「かわいそうに見えるけどかわいい」「これは四面楚歌、、、」「何とも言えない表情で可愛い」という声が寄せられており、投稿には1万5000のいいねが付いている(11月10日時点)。
「もしかしたらなんとも思っていないかも」
どうして囲まれてしまったのだろうか?そして、普段の仲はどうなのか? 気になる点を、長崎ペンギン水族館のペンギン担当・大久保梨奈さんに聞いてみた。
ーー撮影時の状況を教えて。
夕方の最後の見回り時に、たまたま発見しました。

ーー囲まれているジェンツーペンギンの様子はどうだった?
発見時は固まっていて、写真を撮っている間、何回か周囲を見渡していましたが、脱出しようとする感じはなかったです。
ジェンツーペンギンの心境は「囲まれているな…」といった感じだと思います。ただ、該当のジェンツーペンギンがいた場所はいつもいる場所で、そこにたまたまキングペンギンたちが集まっていた状況だったので、もしかしたらなんとも思っていないかもしれないです。

ーーキングペンギンは意識して囲んでいたわけではない?
偶然じゃないかなと思います。おのおの干渉せず、ただ偶然そこにいた感じでした。
ーーこの様子を見て、どう思った?
たまたまとはいえ、きれいに囲まれていたので面白いなと思い、皆さんに見せたくてSNSにアップしました。たくさん反応を頂けてうれしいです。
基本的にお互い干渉することはない
ーージェンツーペンギンとキングペンギンの生態について教えて。
ジェンツーペンギン
体高60~65cm、体重約5kg、亜南極圏の島々に生息。好奇心旺盛で黄色いくちばしと足、頭にヘアバンドのような白い斑紋があるのが特徴です。普段は掃除用の水かきに向かって激しく鳴いたり、落ちているものは何でも食べようとしたりと、物事によく反応する印象です。

キングペンギン
体高約90cm、体重約12kg、亜南極圏の島々に生息。基本的に性格は穏やかですが警戒心は強い印象。くちばしは細長く首元と耳元に黄色やオレンジの斑紋があるのが特徴です。普段は陸上で立って休息していることが多いです。

ーー普段の仲はどうなの?
同じ展示場で飼育されています。基本的にお互い干渉することはないです。好奇心旺盛なジェンツーペンギンでも、キングペンギンにちょっかいを出すようなことはあまりないように思います。

ーー自然界でも交流はない?
生息地が被ったりはしていますが、基本的に交流はないと思います。
ーーちなみに、ジェンツーペンギンはその後、脱出できたの?
最後の見回り時に発見したため、その後の状況は次の日の朝に確認しましたが、もうジェンツーペンギンも包囲網もいなくなっていました。
キングペンギンに包囲されたジェンツーペンギン。出られなくて、この顔です。#長崎ペンギン水族館 #ペンギン #ジェンツーペンギン #長崎 #penguin #aquarium #kingoenguin #gentoopenguin pic.twitter.com/HE9cGqBGJW
— 長崎ペンギン水族館【公式】 (@NagasakiPengin) October 21, 2023
お互いが干渉することはないというジェンツーペンギンとキングペンギン。今回の状況は偶然で、キングペンギンはわざと囲んでいたわけではなく、ジェンツーペンギンの方も萎縮しているわけではなかったようだ。

長崎ペンギン水族館ではジェンツーペンギン24羽、キングペンギン21羽を飼育しており、1階の亜南極プール、2階の亜南極ペンギン室で見ることができるという。
訪れた際には、今回の投稿のような面白いと思えるペンギンたちの姿を見ることができるかもしれない。