JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が「信号機のない横断歩道」での車の停止率を調査したところ、全国平均は45.1%、都道府県別では長野県が最も高く84.4%だったことがわかった。理由は、歩行者のアイコンタクトとお辞儀だ。
一時停止率 全国平均45.1%
調査は2023年8月から9月にかけて、交通量が1分間に3~8台・制限速度が時速40~60㎞の信号機のない横断歩道を、各都道府県2カ所ずつ選んで実施された。
1カ所につき50回の横断で一時停止した車を調べたところ、全国平均は45.1%で、前年から5.3ポイント上昇したことがわかった。

長野県84.4% 8年連続トップ
都道府県別では長野県が84.4%で8年連続のトップ。次いで石川県76.4%。3位はかつて「ワースト」だった栃木県の74.8%。県交通安全協会が作成した動画などによる啓発が功を奏したようだ。
一方、今回最も低かったのは新潟県の23.2%だった。

歩行者のアイコンタクトとお辞儀
長野県の停止率が高い理由としては、「伝統」となっている、子どものころからの交通安全教育の影響が挙げられる。
歩行者は手を上げて意思表示するのはもちろん、止まってくれた車へのアイコンタクトやお辞儀が奨励されている。
2019年の取材時、交通安全教育に携わった小学校の教諭は「ドライバーの心も和み、止まってくれやすくなっている」と話していた。
しかし、それでも長野県内でも14.6%は一時停止せずに通過している。
横断歩道での歩行者優先は法律で定められており、JAF長野支部は「停止率向上につながる啓発活動を積極的に展開したい」としている。

都道府県別(1位~24位)
1位 長野県 84.4%
2位 石川県 76.4%
3位 栃木県 74.8%
4位 熊本県 66.1%
5位 岐阜県 65.4%
6位 静岡県 63.9%
7位 宮崎県 63.6%
8位 愛知県 61.2%
9位 山梨県 61.0%
10位 福島県 60.8%
11位 愛媛県 58.5%
12位 福岡県 58.1%
13位 岩手県 56.2%
14位 島根県 53.0%
15位 山形県 53.6%
16位 秋田県 52.1%
17位 兵庫県 52.0%
18位 宮城県 51.9%
19位 三重県 51.3%
20位 鳥取県 50.0%
20位 富山県 50.0%
22位 広島県 48.5%
22位 山口県 48.5%
24位 奈良県 48.1%

都道府県別(25位~47位)
25位 岡山県 47.8%
26位 青森県 47.4%
27位 滋賀県 46.3%
28位 鹿児島県 42.8%
29位 長崎県 42.5%
30位 群馬県 41.1%
31位 東京都 39.6%
32位 香川県 39.1%
33位 埼玉県 38.9%
34位 徳島県 36.7%
35位 高知県 35.3%
36位 京都府 34.6%
37位 千葉県 31.9%
38位 大分県 31.1%
38位 沖縄県 31.1%
40位 和歌山県 30.1%
41位 神奈川県 29.1%
42位 北海道 29.0%
43位 茨城県 27.6%
44位 大阪府 26.7%
44位 福井県 26.7%
46位 佐賀県 26.2%
47位 新潟県 23.2%

(長野放送)