イスラム組織“ハマス”による攻撃から、2週間以上が経過する中、イスラエルでは誘拐された200人以上の安否がわかっていない。子どもを誘拐された家族らが、その胸中を明らかにした。

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長く並べられた白いテーブルの上に用意されているのは、食器にパン。赤ちゃん用の哺乳瓶。

しかし、椅子に座る人の姿は一切なく“人質”(HOSTAGE)と書かれたプレートが掲げられている。

ユダヤ教の“安息日”にあたるこの日、イスラエル最大の都市テルアビブでは、広場に安息日の食卓が再現され、その周りで人質の解放を家族らが訴えた。

ハマスに誘拐された息子が残したメッセージ

ハマスによる大規模攻撃から2週間あまりが経過したが、音楽祭の会場にいた外国人らを含む、少なくとも222人が誘拐されたままだ。

20日には、ハマスが囚われていたアメリカ国籍の女性2人を解放。これを受け、残る人質の家族の間にも、かすかな希望が広がり始めている。

息子・ハーシュさん(23)がハマスに誘拐された、レイチェル・ゴールドバーグさん。スマートフォンには、息子からの2件のメッセージが残されていた。

ハーシュさんのメッセージ:
みんな愛してるよ。ごめんね…。

このメッセージを最後に、ハーシュさんからの連絡は途絶えた。

レイチェル・ゴールドバーグさん:
私は一日中、彼にこう言っています。「愛しているわ。だから心を強く持って生き延びてほしいの」って。

「お前は動物だ!」息子が服を脱がされ…

同じく音楽祭の会場から連れ去られた、オメル・ウェンケルトさん(22)。

両親は息子の姿を、ハマスが発信するテレグラムの映像で目にした。

ハマスが発信した映像:
お前は動物だ!

服を脱がされ、ハマスの戦闘員らに取り囲まれているのが、オメルさん。両親は息子には持病があり、ガザの住民と同様、薬の支援が必要だと訴える。

オメルさんの父親・シャイさん:
イスラエル政府に伝えたいことがあります。戦争が終わるのは、誘拐された人質全員が帰国するときだけだとね。
(「イット!」10月23日放送より)