様々な物の価格が高騰するなかで、福島県郡山市に本社を置く大手ラーメンチェーンの「幸楽苑」は一部の商品を値下げした。ラーメン最大70円…効率アップで実現した値下げで売り上げアップを目指す。
11メニューを20~70円引き下げ
「幸楽苑」は、10月12日に一部の商品を値下げした。「プレミアム醤油」は830円から760円へ70円の値下げ。ほかのラーメンやサイドメニュー合わせて11点の価格を20円から70円引き下げた。

セットメニューでお得感
また、餃子やチャーハンのセットメニューを充実させ、70円から150円お得に味わえるようにした。利用客は「嬉しいですね。物価が高い中、やりくりするのが大変だった」「子どもたちも大きくなって、ラーメンだけじゃ足りなくなってきた。もっと沢山利用したい」と話した。

効率アップでコストダウン
原材料やエネルギーなど、様々な物の価格が高騰するなかで、今回の値下げは「効率アップによるコストダウン」で実現したという。

幸楽苑ホールディングス広報IR部の佐々木淳部長は「主力商品の麺や餃子、チャーハンを自社工場で生産している。工場の生産を上げることによって、全体として値下げ分を吸収。工場の稼働が全体で増えると、それにより製造の単価を下げることができる」と話す。

セット販売で売り上げアップへ
2022年度の幸楽苑の連結の売り上げは、新型コロナの影響を受けて過去最高だった2019年の約6割に留まった。

今回の値下げには、餃子などのセットの販売を増やして売り上げをのばす狙いがある。狙い通り、早速効果が表れていて、チャーハンを注文する人の割合は以前の20%から25%へアップ。物価高騰が続くなか、客にとっても店にとってもプラスになる値下げとなりそうだ。

原点回帰の値下げ
かつては一杯390円のラーメンで売り上げをのばし、店舗を拡大した幸楽苑。思い返せば一杯290円だった時期もあった。

一代で現在の幸楽苑を築いた、創業者の新井田傳さんが2023年6月に社長に復帰。新井田さんは、業績回復に向けて「安くて・おいしい商品を提供する」という「原点回帰」を掲げていて、今回の値下げもその一つと言える。

「原点回帰」するため、値下げのほかに赤字になっていた関東などの11店舗を閉じ、同じく赤字だった通販事業からも撤退した。今後は、店舗での商品の品質やサービスの向上などにより力を入れるという。
(福島テレビ)