大阪・ミナミの一等地に、11月新しいホテルが開業する。それはなんと寺と一体化したホテル。一体その狙いはなんなのだろうか?

寺とホテルが一体化 その狙いは…

記者リポート:
大阪の大動脈・御堂筋に隣接するあちらのホテルが来月開業します。よく見ると、一階部分に入っているのは、なんとお寺です!

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大阪・ミナミの中心部に新たに作られた「カンデオホテルズ大阪心斎橋」。

ここは元々、「みってらさん」の愛称で親しまれている「三津寺」が建っていて、本堂への入り口は御堂筋から通りに入った場所にあった。そこで今回…

ホテルとして客が出入りしやすい御堂筋側に本堂の入口が来るよう、レールを敷いて移動しその後、寺を覆うようにホテルを建設。

吹き抜け部分に本堂を残し、4階以上がフロント・客室になっている。
しかし、一体なぜホテルと寺が一つの建物に共存することになったのだろうか。

維持活動が困難な寺院側の切実な事情

三津寺・加賀俊裕副住職:
このお堂は、大阪では非常に珍しい戦災に遭っていない建物。大阪は経済が発展して街並みが変化する中、歴史的な場所でもあるんだよということを残すために、この本堂を次の世代に引き継ぐ必要がある。

副住職によると、これまで三津寺は築200年以上の本堂の老朽化に加え、数々の美術品の維持に高額な費用がかかり、さらに檀家の減少にも頭を抱えていた。

そこで三津寺が建築会社に相談したことをきっかけに、「寺院一体型のホテル」が誕生したのだ。

寺側はホテルが営業する限り、持続的に賃料を得ることができ、ホテル側もミナミの一等地にホテルが開業できるという利点があり、まさに両者にとって、WinWinの関係だ。

寺院をどう保全していくかは全国的な課題で、京都の四条河原町には、寺と一体化したマンションが建設されている。

三津寺・加賀俊裕副住職:
お寺に来られた方がホテルの存在を知る。ホテルに来られ方がお寺の存在を知る。また街を歩く方が面白い建物があるなと、境内にふらっと入ってもらいやすいようなそんな建物を作ってもらった。非常に期待しています。

寺院の生き残りをかけた新たな試み。ホテルは11月26日に開業する。

(関西テレビ「newsランナー」2023年10月11日放送)

関西テレビ
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