人気旅行サイト「Booking.com」。
この世界最大級の旅行予約サイトで、ホテルなどに対する宿泊費の未払いが相次ぎ、その額は数百億円規模に及ぶ可能性があるという。
旅館支配人「いつまで待てばいいのか」
取材班が向かったのは、神奈川・箱根町にある温泉旅館「箱根藍瑠」。
外国人観光客が多く詰めかけるこの人気の宿に、先週、「Booking.com」から驚きの通知が届いた。
「施設への銀行振り込みを予定通りに行うことができず、遅延の発生が予想されます」
今回の通知の対象は、9月分の支払い。これで3カ月続けて遅れたことになるという。
「箱根藍瑠」渡辺健支配人は、「いつまで待てばいいのかということが一番不安に感じるところ。ここまでまとまった（支払いの）遅れは、今回初めてかなと思います」と話した。
「Booking.com」は宿泊施設と客をつなげるサイト
「Booking.com」は宿泊施設と客をつなげるサイト。
予約客が前払いした宿泊料金を宿泊施設側に支払う仕組みだが、その支払いが滞っているという。
「箱根藍瑠」の場合、宿泊予約の約6割を「Booking.com」が占めているため、影響は極めて大きいという。渡辺支配人は「あまりにも長引くようであれば、取引先への支払いであったり、従業員の給与の支払いにも、影響を及ぼす可能性が十分考えられる」と話す。
こうした「Booking.com」の未払いは、全国の宿泊施設で相次ぎ、未払い額は数十億から数百億円規模にもなる可能性があるという。
宿泊施設オーナーら約40人が集団訴訟へ
一連のトラブルを受け、宿泊施設のオーナーら約40人が「Booking.com」側に損害賠償を求める集団提訴を起こす方針を固めた。原告側の加藤博太郎弁護士は、「数十億円と数百億円という規模の被害となっているのではないかと思う。ここまで大きな支払いトラブルは前代未聞ではないか」と語る。
未払いの理由について、「Booking.com」は、“支払いシステムの不具合”と説明。
一方、「箱根藍瑠」渡辺支配人は、「（支払いのことは）しっかりと説明を果たしていただきたい。いつまでに解決するのかという明確な期間を明示していただきたい」と、未払いがあった夏ごろから2カ月たった今も、それ以上の詳しい説明はないと話した。
「Booking.com」はホームページ上で、「パートナーの皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことをお詫(わ)び申し上げます」と謝罪している。
（「イット！」 10月11日放送より）
