保育施設で使用済みの紙おむつを保護者が自宅に持ち帰るという慣習…。大分県内では保育施設で処分する動きが広がっている。そもそもなぜ持ち帰っていたのか。保護者や保育士の負担はどう変わったのか。「おむつの処分」をめぐる動きを取材した。
「使用済みおむつ」の持ち帰り…
大分市でも10月から施設でおむつを処分する取り組みが始まった。
0歳から6歳までの約100人を預かる大分市の桜ケ丘保育所。
こちらでは、預かっている子どものうち半数ほどがおむつをつけていて、子ども1人あたり1日に5~6回おむつを替える。
9月に取材したときには…
交換した使用済みの紙おむつは子どもの名前が書かれたバケツに仕分けられ保護者が持ち帰っていた。
「おむつの処分」10月から施設で
しかし、10月からは、おむつを保管する大きなゴミ箱が置かれ保育所内での処分が始まった。
保育士は「1人1人名前を間違えないようにおむつバケツに入れるという労力がなくなるのは、労力の軽減になるのかなと思う」と負担が減ったと話している。
使用済みの紙おむつについて公立の保育施設での処分が全国的に進む中、大分市では10月から取り組みがスタートした。私立の認可保育施設には県内で初めて処分費などの補助を行っている。
使用済みおむつを持ち帰る…なぜ?
そもそもなぜ使用済みの紙おむつを持ち帰っていたのか。
保育の現場に詳しい別府大学短期大学部の助安明美助教は、布おむつが主流だった40年ほど前の慣習が残っているのではと言う。
「布おむつからの慣習でしょうか。元々、例えば公園に行ってゴミが出たら自分で持ち帰ろうというような日本人にはそういった心があると思う」(別府大学短期大学部 助安明美助教)
また、便を見て体調の確認をすることもあったと話す。
その上で、「あちこち運ぶこともないし非常に衛生的にも安全だと思う。少しゆとりの時間ができて子どもとの時間を作り出すことができれば」と話し、家庭、保育現場ともに衛生面や教育面でプラスに影響するのではと指摘する。
実際に保護者からも「家で処分する量が減るのでゴミ捨ての日とかすごく助かる」「先生たちもおむつを分別する手間が省けるのでその分、保育に時間をかけてもらえたら保護者としてはうれしい」といった声が聞かれた。
子どもたちに目が行き届く、より良い保育の環境づくりが期待される。
(テレビ大分)