最近耳にする機会が増えた「生成AI」という言葉。従来のAIは決められた行為を人の代わりに自動的に行う一方、生成AIはデータなどを学習し新しい文章や画像などを自ら生成できる。この生成AI、鹿児島県内ではどう活用されているのか。
プログラミングに生成AI使う企業
対話形式でAIが人間の質問に答えてくれる生成AIの1つ、“チャットGPT”に、「生成AIとは何ですか?」と聞いてみた。チャットGPTによる回答はこうだ。
![生成AIとは…チャットGPTの答え](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/f/700mw/img_ff2a70e63231347f696be2071793366c56328.jpg)
チャットGPT:
生成AIは新しいデータやコンテンツを作り出す人工知能の一種です。大量のデータから学びそのデータに基づいて新しいものを作り出します
![生成AIの導入を推進する考え示す](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/2/700mw/img_72662f61121473f1d909aed5c12b002b54269.jpg)
近年急速に認知度が高まっている生成AI。岸田首相も10月9日、京都で開かれた国際会議で「AIの開発・利用をしっかりと経済対策に盛り込んでいきたい」と述べている。
![鹿児島市にあるGMOペパボ 鹿児島オフィス](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/6/700mw/img_765634ed8987f6891dbe86f750a4d46e94066.jpg)
様々な分野で人手不足が叫ばれる中、活用が期待される生成AI。鹿児島でも積極的に活用している企業がある。東京・渋谷に本社を置くIT企業「GMOペパボ」だ。この会社では主にプログラミングで生成AIが使われていて、今回、鹿児島オフィスを取材した。
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プログラミングのコードと、そのコードを元に作られているウェブサイトを並べてみると、ウェブサイトには「申し込みはこちら」と記載されている。
![緑のボタン設置はAIが提案](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/0/1/700mw/img_01aed1a778008cb21197d2e94979b14160121.jpg)
エンジニア:
コードの続きを作りたいという時にはenterキーを押すと自分では何も書いていないのにAIが「続きのプログラムはこんな感じでどうか」と提案してくれる。「申し込みはこちら」という文字が先にあったので、AIが「申し込みはこちらとあったら、きっとボタンを置くだろう」と推測して、「ボタンを置いたらどうですか」と提案してくれた
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生成AIが、これまで書かれたプログラムから“申し込みのためのボタンが必要”と判断し新たなコードを生成、ウェブサイトに緑のボタンが設置された。
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さらに、すでに作成されたプログラミングのコードを入力すると、そのコードが何を意味するのか生成AIが解説する機能もある。エンジニアは「こういったツールがあると開発スピードが上がってきますね」と話す。
官公庁でも生成AIの活用始まる
生成AIの活用により、この会社では人間が作成するコードが1カ月で約3万5,000行、1割弱が削減できたという。
![生成AIは業務効率化に大きく貢献しているという](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/a/700mw/img_1a64181f51ec423f2a6b2e5728c7ca2d74275.jpg)
GMOペパボ 鹿児島エンジニアリングチーム・早崎俊輔サブマネージャー:
時間が短くなることで次の新しいアイデアを考えたりとか、新しいサービス開発の時間に充てることができるので、業務効率化に大きく貢献している
![鹿児島県庁](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/700mw/img_c8c9bf0f4e2c4240cf4193e7cff837f798214.jpg)
IT企業ならではの生成AIの活用が進んでいた一方、官公庁でも活用が始まっていた。
鹿児島県デジタル推進課 中山敏博参事:
文章作成の補助やアイデア出しなどに活用することで、事務作業の効率化につながると考えている
![10秒足らずで文章を要約](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/9/700mw/img_1920e050426d3b365419be6a288a99e984983.jpg)
鹿児島県庁では2023年9月からチャットGPTに限り、試験的な活用が認められた。この日は県のウェブサイトに掲載されている860字ほどの文章をチャットGPTを使って要約。「200字以内で広い世代が理解しやすい文章に」という条件をつけて元の文章を入力すると、わずか10秒足らずで要約された文章が出てきた。
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担当者は「入力をする時間と集約することを考える職員の手間が大幅に作業削減ができる」と、生成AIが業務効率化に役立っている現状を語った。
リスクを把握した上での“向き合い方”
便利に見える生成AIだが、リスクはないのか。チャットGPTに聞いてみた。
チャットGPT:
差別的なコンテンツを作成する可能性や偽の情報を拡散する可能性があります
![SNSで拡散されたフェイク画像](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/4/700mw/img_94fac8cc306502f53cd121ded76b2b3a63897.jpg)
チャットGPTが指摘したリスク。2023年5月、アメリカの国防総省付近で爆発が起きたとする画像がSNSで拡散された。これはフェイク画像で生成AIが作成したとみられている。この偽情報は一時、金融市場が混乱するほどの騒ぎに発展した。
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こうしたリスクがあることから鹿児島県では、個人情報や機密情報を入力しないこと、所属長の許可を得ることなど使用にハードルを設けている。
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活用の仕方に濃淡はあるものの社会に普及し始めている生成AI。GMOペパボはリスクを把握した上で今後の生成AIとの向き合い方について次のように話す。
![生成AIは必要不可欠な存在と語る](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/e/6/700mw/img_e6e899937775229eddec00f8789462af73739.jpg)
GMOペパボ 鹿児島エンジニアリングチーム・早崎俊輔サブマネージャー:
生成AIはもう必要不可欠な欠かせない存在。クリエイティブなことなどは、まだまだAIの力が及ばない部分なので、そこをうまく活用できる人が集まってサービスを大きくしたりとか、新しい機能を追加したりしていくと考えている
![「生成AIは人間の仕事を奪うのか?」チャットGPTの回答は…](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/5/700mw/img_d5f52f664cc5d22eaee89ec93e95a5c286279.jpg)
生成AIの活用が鹿児島県内でも徐々に広がりを見せる中、最後にチャットGPTに「生成AIは人間の仕事を奪いますか?」と聞いた。
チャットGPT:
AIは単純なタスクを効率的に処理できますが、人間の創造性や判断力を代替するのは難しいです。AIと人間が共存し互いの強みを生かすことが期待されています
(鹿児島テレビ)