熊本の子どもたちに、新たな学びの場を提供したいというプロジェクトが発足だ。自らを「ゆりかごに預け入れられた子ども」だと、2022年に公表した大学生・宮津航一さんらが発表した。

10月10日「子ども大学くまもと」設立

「子ども大学」とは、児童が学生となり大学の教室で各界の専門家から授業を受けるという、ドイツ発祥の教育プロジェクトで、日本国内では埼玉や東京などで開校されている。

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「子ども大学くまもと」は元慈恵病院看護部長の田尻由貴子さんが学長、そして理事長を現在、熊本県立大学2年の宮津航一さんが務める。

宮津さんは、親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる、熊本市の慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」に預けられて育った過去を公表している。

「子どもたちの心が満たされる機会を」

設立の経緯について宮津さんは「こうのとりのゆりかご」に預け入れられ、その後里親家庭で育った経験、そして自ら運営する子ども食堂の活動などを通じ「心が満たされていない人が多い」と感じたことを挙げた。

子ども大学くまもと 理事長・宮津航一さん:
家庭環境などで差別されることなく平等に、子どもたちの心が満たされる機会、チャンスをこの活動を通して与えていければいいと考えている

「子ども大学くまもと」では独自のカリキュラムとして「いのち学」と題した授業も予定しているということだ。

子ども大学くまもと 学長・田尻由貴子さん:
ゆりかご発祥の地である熊本から命のこと、生き方のことをしっかり伝える使命があると思っている

「幸せな人生つかむきっかけに」

子ども大学くまもと・理事長 宮津航一さん
現状としては厳しい環境に置かれている子どもたちがいます。その子どもたちに明るい未来を描いてほしいということです。そこから先の幸せな人生をつかんでほしい、そのきっかけに子ども大学がなればいいなと

「子ども大学くまもと」は10歳前後の小学生と保護者を対象に、2024年3月に開校予定、現在は運営のための個人や企業、活動を支えてくれるサポーターを募集中ということだ。

(テレビ熊本)

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