社会的課題をビジネスの手法で解決しようと、バングラデシュで「わらじプロジェクト」をはじめた蛭子彩華さん。
「もともと社会課題に興味があって、大学4年生の夏に発展途上国のベースオブピラミッド（最底辺）の層の人に話を聞きました。
その時、『ビジネスの力で問題にアプローチする』という考えを聞いて、稲妻が走りました」
作る人も使う人も笑顔になる「布わらじ」
恩師の言葉を胸に、蛭子さんは当時最貧困だったバングラデシュを訪れた。
人口過密国で雇用不足。
そんな社会課題をビジネスで解決しようと2010年、同じ思いを抱く学生たちと共に、「適十塾」（てきとじゅく）を立ち上げた。
そこで始めたのは「わらじプロジェクト」。
バングラデシュの人々にわらじ作りの技術を教え、それを日本で売ることにしたのだ。
ところが、現地で藁はたい肥などに使われる貴重な資源だったことが判明する。
そこでピンチをチャンスに。
材料を縫製工場から出るTシャツの端切れに変更。
肌触り抜群の布製のルームシューズが完成した。
作る人も使う人も笑顔になる「布わらじ」。
布わらじ職人は「子どもに教育を受けさせてあげられるようになりました。親としてとても嬉しく、誇りに思っています」と話す。
2016年にはプロジェクトを法人化し、一般社団法人「TEKITO DESIGN Lab」を設立。
今も大学生と共に職人たちをサポートしている。
蛭子さんは「今は、わらじ職人さんは男性がメインをしめていますが、社会進出のできていない女性たちに技術伝承をして、サステナブルに運営していきたいと思います」と話す。
一般社団法人TEKITO DESIGN Lab
https://tekitodesignlab.com
「フューチャーランナーズ～17の未来～」
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