関西では阪神のアレで盛り上がっているようであるが、自転車競技の世界で「アレ」と言えば観客が選手に掛ける声援「アレ!アレ!」だ。「行け!行け!」の意味で掛けるフランス語なのだが、知っている人はかなりの自転車マニアだと思う。
そんなアレはともかく、今日はボールの豆知識。
ワールドカップバレーでも使用される試合球は、広島県にあるボール・スポーツ用品メーカーのミカサが作っている。

創業100年を超える老舗メーカーだが、原爆投下によって事務所と工場は全焼した。
終戦の復興と共に1950年からバレーボールの生産を開始し、1964年の東京オリンピックでは、日本製のバレーボールが初めてオリンピックの試合球として採用された。

1998年には、バレーボールで初となるカラー化を導入し、国際バレーボール連盟(FIVB)から国際大会唯一の公式試合球に認定された。2000年のシドニーオリンピックでは、このカラー化したバレーボールが採用された。
カラフルなボールにはワケがある
かつて白色だったバレーボールがカラフルになったのは、選手がボールの回転を把握しやすくするためと、テレビの視聴者から見て分かりやすくするためである。

また、ワールドカップバレーでも使用されるゲームボールは、流体力学(空力)の考えを取り入れて、ボールの方向性における空気抵抗の差をなくし、低速の速度域でも変化しにくい、軌道の安定したボールとなっている。

バレーボールをする者にとっても、見る者にとっても、楽しむためのこだわりが詰まった、直径20cmのバレーボール。
サーブ、レシーブ、トス、アタックと選手の間を行き来するボールにも、日本のモノ作り技術者たちの情熱が込められている。パリ五輪出場をかけた選手たちの熱き戦いを演出しているのだ。
アレ!アレ!ニッポン!
写真:©️JVA 撮影 小海途良幹