関西では阪神のアレで盛り上がっているようであるが、自転車競技の世界で「アレ」と言えば観客が選手に掛ける声援「アレ!アレ!」だ。「行け!行け!」の意味で掛けるフランス語なのだが、知っている人はかなりの自転車マニアだと思う。

そんなアレはともかく、今日はボールの豆知識。

ワールドカップバレーでも使用される試合球は、広島県にあるボール・スポーツ用品メーカーのミカサが作っている。

1963年 バレーボールの貼付け作業場(画像提供:株式会社ミカサ)
1963年 バレーボールの貼付け作業場(画像提供:株式会社ミカサ)
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創業100年を超える老舗メーカーだが、原爆投下によって事務所と工場は全焼した。

終戦の復興と共に1950年からバレーボールの生産を開始し、1964年の東京オリンピックでは、日本製のバレーボールが初めてオリンピックの試合球として採用された。

女子日本代表 関菜々巳(セッター)
女子日本代表 関菜々巳(セッター)

1998年には、バレーボールで初となるカラー化を導入し、国際バレーボール連盟(FIVB)から国際大会唯一の公式試合球に認定された。2000年のシドニーオリンピックでは、このカラー化したバレーボールが採用された。

カラフルなボールにはワケがある

かつて白色だったバレーボールがカラフルになったのは、選手がボールの回転を把握しやすくするためと、テレビの視聴者から見て分かりやすくするためである。

パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023で使用されるゲームボール(画像提供:ミカサ)
パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023で使用されるゲームボール(画像提供:ミカサ)

また、ワールドカップバレーでも使用されるゲームボールは、流体力学(空力)の考えを取り入れて、ボールの方向性における空気抵抗の差をなくし、低速の速度域でも変化しにくい、軌道の安定したボールとなっている。

男子日本代表 西田有志(オポジット)
男子日本代表 西田有志(オポジット)

バレーボールをする者にとっても、見る者にとっても、楽しむためのこだわりが詰まった、直径20cmのバレーボール。

サーブ、レシーブ、トス、アタックと選手の間を行き来するボールにも、日本のモノ作り技術者たちの情熱が込められている。パリ五輪出場をかけた選手たちの熱き戦いを演出しているのだ。

アレ!アレ!ニッポン!

写真:©️JVA  撮影 小海途良幹

プライムオンライン編集部
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