JR鳥取駅前の「丸由百貨店」が、2022年に新しい名前で再スタートを切ってから、9月1日で1年を迎えた。大手百貨店の看板を下ろし、「客層の若返り」をテーマに店づくりを進める中、市民待望の新たなテナントが加わった。
1周年迎えた日に「ロフト」オープン
9月1日、新生「丸由百貨店」が1周年を迎えた。その3階に、この日オープンしたのが、若者を中心に人気の大型雑貨店「ロフト」だ。
この記事の画像(12枚)鳥取県内では米子市に次いで2店舗目。文具やコスメ、キッチン用品など1万点以上の「生活雑貨」を取り揃える。来店客は「品ぞろえも豊富ですし、新しいお店なので楽しいです」と笑顔を見せた。
鳥取ロフト・人見将信店長:
幅広く、たくさんの商品を用意しておりますので、年代問わず楽しんでいただける売り場づくりができているかなと思います
「客層の若返り」テーマにリニューアル
丸由百貨店は2022年9月、72年間愛されてきた「鳥取大丸」の後を引き継ぐ形で装いも新たにオープン。店名だけでなく、ロゴや包装紙のデザインも一新し、新たな船出をした。
イメージだけでなく、売り場もリニューアル。若者に人気のブランドをテナントとして誘致した。
「デパ地下」の食品売り場も2023年春にリニューアルし、長年親しまれてきた名物はそのままに、こだわりのグルメやスイーツを加え、売り場の充実を図った。その柱になるのは、店づくりのテーマ「客層の若返り」だ。
丸由百貨店・田中秀明店長:
去年、新しい店をいくつか入れたこともあって、功を奏していると思うが、若返ってきてはいるものの、ここから本当の形になると思います
新しい「街の顔」として生き残り模索
「丸由」に名前を変えたこの1年間の売り上げは37億4,000万円、来客数は約109万人と、いずれも「大丸」時代の前の年を下回った。
その要因について「丸由」は、新型コロナの「5類移行」で大型連休などに県外へ出掛ける人が増えたことや、営業しながら店内の改装を進めていたことなどを挙げている。
2年目の“反転攻勢”へ、1周年の節目にオープンを迎えた「鳥取ロフト」には、その足がかりとして「丸由」側も大きな期待を寄せている。
丸由百貨店・田中秀明店長:
「ロフト」という店は、今まで百貨店にはなかった形だと思う。従来の百貨店にこだわらずに、お客さまがより求めている商品やアイテムを幅広く集めていって、にぎわいのある百貨店を作っていきたい
1年目はやや厳しい船出となった「丸由百貨店」。デパート業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、鳥取市の新しい「街の顔」として期待に応えながら、生き残りへ模索が続く。
(TSKさんいん中央テレビ)