パラリンピックで日本人最多21個のメダルを獲得した水泳(視覚障がい)の河合純一さん、45歳。

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東京パラリンピックで選手団団長に就任した河合さんが、パラスポーツの現状と未来について語った。

コロナの状況をプラスに!

新型コロナウイルスの影響で、東京パラリンピックの開催が1年延期に。

河合さんは「コロナによるピンチをチャンスに変えるような取り組み、挑戦を後押ししたい」と話す。

アスリートたちはこの数カ月間、新型コロナウイルスの影響で練習環境が制限された。こうした逆境をパラアスリートだからこそ乗り越えられる強みだと言う。

その理由を河合さんは、「これまで何らかの社会的障壁などと向き合わざるを得ない経験があったからなのか、ポジティブに自分たちなりに考えて練習に取り組んでいるのが印象的」と明かす。

ある車いす選手は、「散歩の時にダンベルを乗せて、いつもより負荷の高いトレーニングをしている」といい、それを聞いた河合さんを「自分にはそういう発想はなかった」と驚かせた。

緊急事態宣言時には、情報をさまざまなツールを使ってアスリートや競技団体とも共有。緊急事態宣言が解除されるとアスリートへのメッセージを発信し、サポートに努めた。

「しっかりと自分の体と心と向き合いながら元通りにしていき、その先を目指していって欲しいと、何が何でも(アスリートたちに)伝えたい」と熱く語った。

コロナの状況をプラスに変えていくことが、東京パラリンピック成功のカギにつながっていくのかもしれない。

オンラインでさまざまなことを発信

また、新型コロナウイルスによって「オンライン」という新スタイルを確立したという。

「オンラインでの取り組みは、今まで取り組めてこなかった案件」と河合さんは話す。

新型コロナウイルスで苦境に立たされる中、パラ卓球協会は競技PRのための動画を制作。緊急事態宣言期間、日本ボッチャ協会は、ボッチャの選手がオンラインでさまざまなゲーム対決をする様子を公開したり、日本ブライドサッカー協会は、なでしこジャパンの籾木結花選手のウェブ講演会を行うなど、各競技団体もオンラインでさまざまなことを発信した。

河合さんは「勇気づけられたり、自分たちなりに今できることを工夫してみようと考えるきっかけにもなった」と明かす。

さらに、河合さんが委員長を務める日本パラリンピック委員会(JPC)もオンラインを活用。

選手や指導者のメンタルサポート、心理面でのサポートをオンラインのセミナー形式で開催する取り組みなどを行っている。

そして、緊急事態宣言解除後には各競技団体と練習再開に向けたやりとりも進めている。

河合さんは、「閉鎖しているナショナルトレーニングセンターでのトレーニングができるように、各競技団体がスポーツ再開に向けたガイドラインを作ったり、徐々に以前の状態に近づける工夫をしている」と話した。

オンラインという新たなスタイルで1年後、その先の未来を見据えてリスタートした河合さん。「今後のパラリンピックの開催国や世界に対して、どんなイメージやインパクトを与えられるか考え直すいい機会でもあった」と明かした。

(「パラ★DO!」毎週土曜、15時25分~※関東ローカル)
https://www.fujitv.co.jp/sports/parado/program/parado/index.html

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