山形・戸沢村で急増しているサルの被害について、角川(つのかわ)地区では、サルが家の敷地内にも入り始め、住民は危機感を募らせている。

数百頭にのぼるサル…ここ数年は稲穂にまで被害が

22日、緊急に開かれた住民座談会では、「サルが隣の民家に入ってくるおそれがある。万が一かまれたりすると取り返しがつかない」と不安の声が上がった。

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サルは、山間部だけでなく、住宅の屋根や敷地内にも入り始めていることが報告されており、8月20日には、庭先のブドウが食い荒らされる被害が確認された。

住民:
落としていった跡がある。ブドウ!ブドウ!

まるで挑発するかのように…住民の目の前でブドウを食い荒らす
まるで挑発するかのように…住民の目の前でブドウを食い荒らす

サルは数百頭にのぼり、10年ほど前からいくつかの群れに分かれて出没を繰り返している。

ジャガイモやカボチャなどの野菜のほか、ここ数年は、稲穂の被害も確認されている。

「追い払い」対策では一時しのぎ…
「追い払い」対策では一時しのぎ…

電気柵や花火による「追い払い」も一時しのぎで、住民からは「『駆除』に本腰を入れるべき」との意見が多く出始めている。

住民:
個体数を減らすしかない。どこかにエサ場を作って集団を呼び寄せて、一気に駆除して個体を減らす

ただ、この“強行策”にも課題がつきまとう。

情報不足…ドローン・定点カメラ駆使して

住民:
猟友会に頼むにも、1頭あたり5,000円の報酬をもらうのに、この暑さの中、埋設の穴掘りは熱射病になる。そういうこともしっかり考えて対策しないと

一方で、「何月何日何時、どこに何頭出て、どんな行動をとったのか。正確な情報を得ないと対策は打てないのでは」との指摘も上がる。

座談会では、場当たり的ではなく、確実に効果が上がる対策を考え取り組んでいくことを確認した。

戸沢村・加藤文明村長:
情報が不足している。生態調査も含めてデジタル・AIを活用した対策に取り組みたい

村は今後、ドローンや定点カメラなども駆使して、群れの位置や行動パターンを詳細に把握し、有効な対策を取りまとめる方針だ。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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