新入社員に「今の会社がいつまであるのか」と聞いたところ、2人に1人は20年以上と答えた。

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マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、新入社員800名を対象に、意識調査を行った。調査期間は、2023年6月16日から18日の3日間だ。

調査よると、「今の会社は何年後くらいまであるか」と聞いたところ、20年以上と答えたのは、約半数にとどまる結果になった。

また、3年以内、3~5年後くらいと答えた人も5%いることがわかった。

「今の仕事がいつまであるか」との質問に対しても、20年以上と答えた人は40.5%にとどまり、5年後くらいまでにはなくなるのではないかと感じている人も、1割以上いることが明らかになった。

そして、今の会社を10年以内に辞めようと考えている人は49.1%と、約半数いた。

長く働こうと思わない理由を聞いたところ、「ライフステージに合わせて、働き方を変えたい」と答えた人が32.6%と最も多く、次に28.8%となった「給料が低い」という回答が続いた。

“ポータブルスキル”が必須に

「Live News α」では、キャスター取締役CROの石倉秀明さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
今の仕事・会社の20年後という事ですが、いかがですか。

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
1つの会社にずっといるのではなく、いつかは他の会社に移っていくのが、当たり前になったと言われているが、その通りの結果だなと思う。ただ、5人に1人が、定年まで同じ会社にいると考えているのは、思ったより多くてちょっと意外。

そして、やはり顕著なのは、いつまで今の仕事があるかという質問に対して、約2人に1人は、20年以内になくなっていると考えていること。これは、昨今出てきた生成AIなどによって、今の仕事がなくなってしまうかもしれないという、危機感を持つ人が増えているのだと思う。

堤礼実キャスター:
そうなると、それぞれがどうやってスキルを磨いていくのかが問われそうですね。

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
大事なのは、なくなるか、なくならないか、ではなく「なくなっても大丈夫なような人になっているか」。そういう意味で、これから働く上で身につけるべきは「ポータブルスキル」。

ポータブル、つまり持ち運べるという意味ですが、どんな仕事でもどの会社に行っても、なんとか仕事で成果を出せるためのスキルや能力のことをいう。

つまり、特定の会社や特定の職種でしか通用しない仕事のやり方やスキルではなく、たとえ職種や職場が変わっても、変わらず自分の力を発揮できるような、普遍的なスキルをいかに身につけられるかが重要。

“リスキリング”を見直す

堤礼実キャスター:
具体的には、どんなスキルが求められるのでしょうか。

キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
実は基本的と言われていること。それは自らでゼロから考える力や、データを操る力、日本語や英語などを使い人に伝える力、わからないことを自ら学べる力などのこと。

今まではその会社、その仕事で役に立つ「スキル」、つまり、技を鍛えていたわけだが、これからはその技を使いこなせる基礎の部分、つまり、筋トレのように肉体そのものを鍛えることが重要になる。

今はまさに、リスキリングが盛んに言われていて、使える技を増やそうとするものが多いが、もっと土台となるポータブルスキルを身につけるリスキリングの重要性が、高くなるのだと思う。

堤礼実キャスター:
1つの会社で長く働くこと、途中で新しいことに挑戦すること、どちらも素敵なことですよね。

様々選択肢を持つためにも、それぞれがスキルを身につけることが大切ですし、企業は自社の社員に、もっと会社を好きになってもらうための努力をしていくべきなのかもしれません。

(「Live News α」8月23日放送分より)

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