店舗のトイレを使う際、リモコン(操作ボタン)を手で触りたくないと思ったことはないだろうか?こうしたニーズに対応した“スマホで操作できる温水洗浄便座”を、TOTOが8月1日に発売した。

同社の新商品「ウォシュレット※アプリコットP」の一部のタイプは、スマートフォンをリモコンとして操作できる機能が搭載されており、自分のスマートフォンから「おしり洗浄」「ビデ洗浄」「擬音」「水勢調節」「便器洗浄」を利用できるのだ。(※ウォシュレットはTOTOの登録商標)

イメージ(画像提供:TOTO)
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なおスマートフォンを接続するには、専用アプリをダウンロードした上で、各便座のリモコン周辺にあるQRコードを読み取ればOK。利用者がトイレから離れると接続は切れるという。

画面イメージ(画像提供:TOTO)
画面イメージ(画像提供:TOTO)

また便座のふたは手で触る必要はなく、オートで開閉。利用者が便器に近づくとセンサーが感知して、ふたが自動で開き、離れると閉じる。

※オート開閉(画像提供:TOTO)
※オート開閉(画像提供:TOTO)

飲食店、クリニック、事務所向けに発売されたものになるが、こうした機能を含むAP3AF型の場合、メーカー希望小売価格は22万2420円(税込)となっている。

「ウォシュレットアプリコットP」(画像提供:TOTO)
「ウォシュレットアプリコットP」(画像提供:TOTO)

なお、TOTOでは、20代~60代以上の男女1500人(各年代150人)を対象に飲食店のトイレに関する意識調査を行っており、「トイレの便ふた(便器・便座のふた)」の開閉方法について聞いたところ、「自動開閉(43%)」と「センサー式開閉(22%)」を合わせると65%が非接触を希望していることがわかっている。

「飲食店トイレについての意識調査」TOTO調べ(画像提供:TOTO)
「飲食店トイレについての意識調査」TOTO調べ(画像提供:TOTO)

トイレでなるべくボタンに触わりたくない人にとってはうれしい機能だと言えそうだ。このような非接触のニーズは、コロナの影響で増えてきたのだろうか?

また、他にどんなニーズがあるのか? TOTOの担当者に詳しく話を聞いてみた。

コロナ禍で非接触のニーズは拡大

――非接触のニーズは、コロナが影響しているの?

コロナ禍により非接触のニーズは大きく拡大したと考えます。2020年に行った「日本の人々の公衆トイレでの手洗い等の調査」においても非接触の自動水栓やソープディスペンサーが強く求められていました。


――こちらはパブリック向けだが、特におすすめの場所は?

飲食店、クリニックなどの小規模施設におすすめしています。このような施設では繰り返し訪れるお客様も多く、一度ダウンロードすれば繰り返し使用できるスマホアプリとの馴染みが深いと考えております。


――利用する際に、隣のウォシュレットが作動することはないの?

接続したウォシュレットのみ操作可能です。ラベルとウォシュレット本体の組合せは1対1の設定となっていますので、隣のウォシュレットが作動することはございません。

他のニーズは「手荷物配慮」「子連れ配慮」

――このスマホ操作できるウォシュレットが体験できる場所はある?

建築や水まわり空間の企画・デザイン・設計・施工を担当される専門家のお客様向けの施設になりますが、「TOTOテクニカルセンター」の展示実機で、スマホ操作を体験いただくことは可能です。なお、一般の方が体験いただける場所については、発売から間もないため、現時点でご案内できる施設などはございません。


――小便器のほうは、コロナの影響で進化した部分はないの?

コロナの影響で進化した機能、性能はありませんが、このたび陶器らしい丸みや曲面を生かしたデザインの小便器を品揃え追加しました。


――トイレに関して他にどんなニーズが多い?

意識調査の結果にもありますが、清潔性に関してのニーズが多いです。設備としては、音漏れへの配慮として擬音装置、手荷物配慮や子連れ配慮に必要な器具のニーズがあります。

「飲食店トイレについての意識調査」TOTO調べ(画像提供:TOTO)
「飲食店トイレについての意識調査」TOTO調べ(画像提供:TOTO)

コロナ禍を経て、トイレへのニーズも変わってきているのだろうか。非接触以外にも、新たに音漏れへの配慮や手荷物配慮、子連れ配慮などのニーズがあるようなので、これらに考慮した製品も今後出てくるかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。