老若男女問わず大人気のウサギ。石川県加賀市には放し飼いのウサギたちと触れ合える施設がある。不思議なウサギの生態について施設の担当者に聞いた。
約50匹のウサギと触れ合える
石川県加賀市にある「月うさぎの里」では、600㎡の敷地に約50匹のウサギが放し飼いされている。ミニウサギやロップイヤーなどペットとしても飼われているウサギがほとんどで、人が近づいても危険はない。
この記事の画像(7枚)広場ではウサギたちが自由にぴょんぴょんと跳ね回っていた。ウサギの背丈を大きく超える、高さ約60cmの溝もあるのだが、ウサギたちはものともしない。月うさぎの里の飼育員、菅原えいむさんは「実はウサギさんって高さ1mくらいは軽く跳べるんです」と話す。
「足ダン」で危険を知らせる
力強いウサギの後ろ足。注意して見ていると、時折ポンっと足を地面に叩きつけているウサギがいる。この行動は何なのか。「“足ダン”と呼ばれているんですけど、後ろ足で地面を叩きつける行動をします。周りに危険を知らせるとか、不満があるとか、ネガティブな時に多く使われる表現です」と菅原さんが教えてくれた。ウサギは声帯がなく、鳴くことがない。周りにいる仲間に身の危険を知らせるために、足を使って音を鳴らしているそうだ。
元々ウサギはかなり警戒心が強い動物。広場の砂地を見ると、穴だらけになっている。野生下では肉食動物に狙われないよう、ウサギは穴を掘り身を隠すのだ。特徴的な長い耳も周囲を警戒するのに役立ち、3km先の音も聞き逃さないそう。またウサギは汗をかかないので、長い耳に張り巡らされた血管が体温調節の役割も担っている。
目を開けて寝るほど用心深い
寝ているウサギがいるというので菅原さんに案内してもらった。可愛らしい寝顔と思いきや、ぱっちり目を開いているのだが…。「実は寝ている状態なんですよ。ウサギって警戒心が強い動物なので肉食動物からいち早く逃げるっていう野生の名残りで、目を開けたまま寝ている子が多いんです」。寝ているかどうかを見極めるポイントは鼻の動き。起きているときは鼻やひげが小刻みに動いているのだが、寝ているときはほとんど動きがない。目が開いていても、鼻が動いていなければ寝ているというわけだ。
しかし広場は安全で人にも慣れているので、足を投げ出しリラックスしきったウサギたちの愛らしい姿も見られる。月うさぎの里ならではの光景を前に、訪れた人たちは「日々の疲れが吹っ飛びます」「二重顎みたいな顎の下がかわいい」と癒しを感じていた。
菅原さんは「ウサギさんとの距離がすごく近いのが施設の魅力。ぜひウサギさんとの触れ合いを楽しんでほしい」と話していた。
(石川テレビ)